2011年 17.0×21.6 ソフトカバー P127 帯付
“魔女とは誰か、なぜ彼らは迫害されたのか。
中世末から近世にかけてのヨーロッパを狂乱の坩堝と化した魔女狩り。約5万人が犠牲になったこの現象はなぜ起きたのか。そして、魔女とは何だったのか。
当時の文化・社会に根ざした研究から、歴史の闇を照らし出す。”(帯文)
目次:
はじめに
第一章 魔女の原像
古代異教時代の「魔女」 {魔女ラミア/「魔女」的存在}
キリスト教による異教と呪術の悪魔化 {異教の悪魔化/呪術の悪魔化呪術師の実像}
中世前期の「魔女」 {中世前期の「魔女」迫害/夜の貴婦人たち}
第二章 魔女狩りの始動
異端と魔女 {異端の叢生/中世最大の異端、カタリ派/アルプスのワルド派/異端審問の制度化}
魔女像の結晶化と魔女狩りの始動 {悪魔像の形成/ユダヤ教徒のイメージ/魔女狩りの開始}
一五世紀の魔女裁判と『魔女の槌』の刊行 {魔女裁判の始まり/『魔女の槌』の刊行}
第三章 魔女狩りの時代としての近世
停滞する裁判 {様々な魔女論/魔女裁判への批判/宗教改革の勃発}
宗教改革と魔女 {プロテスタントの魔女観/魔女狩りの土壌/悪魔のカーニバル}
近世国家と魔女 {中央集権化の犠牲者/中央政府対地元当局}
魔女イメージの変容 {家父長制と女性の地位/悪化する女性の立場/性の規律化の強化/ハンス・バルドゥング・グリーンの魔女イメージ}
第四章 魔女の実像
諸地域の魔女狩り {神聖ローマ帝国内での激化/フランス、イングランドの魔女狩り/ヨーロッパ各地の動き}
魔女の具体像 {様々な魔女の姿/魔女と貧困/広がる迫害の対象/魔女狩りの流れ}
魔女という他者 {土星の子供たち/魔女とメランコリー}
第五章 魔女狩りの終焉
裁判手続きへの眼差し {魔女狩りへの反対/フリードリヒ・シュペーの拷問批判/中央当局の権力強化}
科学革命とデカルト的思考 {プロイセン王国における魔女裁判批判/デカルト的思考の影響/科学革命}
あとがき
魔女狩り略年表
参考文献・図版出典文献