1997年　Ａ５判　P362　帯背ヤケ　カバー少イタミ　小口少汚れ

“処女作『ダントンの死』の伝えるものは革命的メッセージか、それとも挫折者の痛苦か？
夭折したドイツの天才作家ゲオルク・ビューヒナーの作品と書簡から、重層的な構造を備えたその精神の奥底に迫る。”（帯文）

目次：
序論

【第一部　作家論】
第一章　自己形成の礎（一八一三年―一八三一年秋）
　第一節　ギムナジウム入学まで
　第二節　ギムナジウム時代
　第三節　フィヒテの影響
　第四節　ビューヒナー研究とフィヒテ
　第五節　窓を求めて
第二章　ストラスブール留学時代
　第一節　ストラスブール／一八三一年
　第二節　メシアの矜持
　第三節　フランクフルト暴動
第三章　ギーセン時代
　第一節　ドイツのミゼーレ
　第二節　ヘッセンの野党運動
　第三節　『ヘッセンの急使』
　第四節　孤立―そして裏切り
第四章　革命か反逆か―ビューヒナーのアンガジュマの根をめぐって
　第一節　拮抗する解釈
　第二節　Ｔ・Ｍ・マイヤーの立論
　第三節　マイヤー的解釈の限界
　第四節　「宿命論の書簡」の意味するもの
第五章　病跡学的考察
　第一節　「ペリラオスの書簡」
　第二節　ビューヒナーと病跡学
第六章　変らぬもの、変わりゆくもの
　第一節　ヒュプリス
　第二節　メシア意識の屈折
　第三節　亡命後の詩人

【第二部　ゲオルク・ビューヒナーの文学】
第一章　『ダントンの死』
　第一節　ダントン劇の諸前提
　第二節　テーマその一　感覚論・唯物論批判
　第三節　テーマその二　弁神論批判
　第四節　テーマその三　革命の「弁神論」批判
第二章　ゲオルク・ビューヒナーの美学
　第一節　美学的考察の特徴
　第二節　ミメーシスの原理
　第三節　主体性の契機

【第三部　ビューヒナー受容史に表れた政治的力学】
第一章　実証派の台頭まで
　第一節　ナチのビューヒナー受容
　第二節　旧ＤＤＲのビューヒナー受容
第二章　最近の実証派によるビューヒナー解釈

あとがき
文献一覧
索引