昭和55年再版 四六判 ソフトカバー P218 カバーヤケ 天クスミ
“「もう一つの現実」を開示し、変革への方途をさぐる―オカルティズム入門の書
ロゴスの論理によって象徴される「現代の精神状況」を超越しうる―そういう認識の立場は、いかにすれば可能であるか?西欧の「没落」がいわれ、新しい世紀末を迎えつつある今日、せつに求められているのは、精神と認識の、閉塞からの超越であろう。
ヨーロッパの精神史に「叡智《ソフィア》」の流れをさぐり、オカルティズムの立場から、根源的「変革」の方途を探索する―
本書において著者は、現存する世界と同じく現実《レアル》でありうる「もう一つの現実」の開示をこころみ、かさねてかなたへ至るための秘儀と行法、その実践をたどっていく。真にアクティブな〈試行の書〉というべき一冊である。”(カバー紹介文)
目次:
第一章 現実世界から超現実世界へ
{未知への予感/「人類の意識」進化史の中で/無意識の世界の認識/思考と感情、感覚と直観/ファンタジーのプロセス/レグレッシヴ/エロスとタナトス/意識の発達史/父の時代、子の時代、聖霊の時代/三分説と神秘学/「二分説」を超えて}
第二章 霊的感覚論―霊・魂・体の問題
{霊・魂体/人間の認識/「霊とは何か」/体と魂との協働/表象とは何か/情動の働き/意識の成立/自我の問題/美的判断・芸術体験/十二の感覚/十二区分の重要性/感覚の融合と霊的体験}
第三章 神秘学における理性と感性
{ロゴスとソフィア/古代ギリシアのソフィア/ロゴスの母/マリア=ソフィア/ソフィア的ヒエラルキア/情念としてのマテリアリズム/理想論から唯心論まで/モナード論/認識に関する七つの基本/神秘主義、そしてオカルティズム/オカルト的な生き方/精神の冒険としてのオカルティズム}
第四章 秘儀とその行法―アポロン的とディオニュソス的
{二つの秘儀/アポロン的とディオニュソス的/太陽神アポロン/四つの行―読書法、形象の解読/オカルト文学の解読/第四の行―意志・感情・思考のコントロール/シュタイナーの「魂の周期」/思考の訓練から意志の訓練/積極性の行へ/「なんてきれいな歯……」/五か月目の行/シュタイナー「六つの行」の意味/エネルギーとしてのリズム/アポロン的な行の目的達成/シュタイナー「植物の行」/秘儀とイマジネーション/ディオニュソス的な秘儀―日常生活の中で/夢からのインフォメーション/オカルティズムにおける自己外化/自己変革の試み/小宇宙と大宇宙との照応/薔薇十字のメディテーション/原初の形態/運命の意義/バラの花の象徴/魂の力}
第五章 ブラヴァツキー―近代精神と神秘学
{「新しい人間」の探求/東洋との出会い/シュタイナーとの関連/孤独を生きる/『神秘教義』執筆のころ/インド、アメリカへの族/謎だらけの人生/神秘学の基本と方法/神智学協会の三課題/新しい精神運動の展開/批判と妨害/心霊学協会の調査・報告/日本の近代思想とブラヴァツキー/オカルティストとしてのブラヴァツキー/夢の問題/ブラヴァツキー―その実像を求めて}
あとがき