1990年初版　P295　裏遊び紙折れ跡

“グノーシス主義の特徴を別にしても、薔薇十字運動は広い文化的そして知的な要素の点から理解することができる。この研究において私は、多くの経路を辿るとともに、興味をそそる象徴学の領域にも踏み込んでみたいと思う。私の意図は、薔薇十字運動の歴史をその起源から二十世紀に至るまで追跡してみることにある。二つの平行する道に沿って話を進めていきたいと思う。一つは、次々に現れる薔薇十字友愛団、その儀礼と実践、それに関与する不思議で魅惑的な人物たちについてのいわば外的な歴史。もう一つは、薔薇十字友愛団の内的な展開であり、その知的霊的な遺産および信奉者たちが授けられた教義を検討する。私はまた、薔薇十字運動が直接運動に関わった以外の人々にその知的霊的な遺産および信奉者たちが授けられた教義を検討する。私はまた、薔薇十字運動が直接運動に関わった以外の人々に与えた影響、例えば文学に与えた影響についても見てみるつもりである。”（カバー紹介文）

目次：
序文（コリン・ウィルスン）
序
第一章　古代思想の再発見
第二章　ドイツにおける神秘主義の伝統
第三章　テュービンゲンのサークル
第四章　薔薇十字宣言の余波
第五章　薔薇十字団の展開
第六章　「哲学者の石」の探求
第七章　黄金薔薇十字団
第八章　薔薇十字の君主
第九章　フランスにおける復活
第十章　「黄金の夜明け教団」の成立と分派
第十一章　文学に登場する薔薇十字団のアデプトたち
第十二章　現代の薔薇十字運動
第十三章　結論
付録　「ヘレンドム薔薇十字位階」
原註／訳註
参考および訳者追補文献

図版
訳者付論　始原の夢―西欧魔術の変容
訳者あとがき
索引