1972年復刊1刷 四六判 P297 全体に経年によるヤケ、汚れ カバー少スレ、少イタミ 天地小口時代シミ 巻頭口絵・扉ページ端時代シミ
西日本を中心に全国に分布する「憑きもの」の俗信を、現地の聞き取り調査や各種文献などから探る。近代以降、昭和に入ってもなお各地に残っていた「憑きもの筋」への差別に関する証言など、貴重な資料を提供する一冊。
一 憑きもの梗概
1 課題と研究の立場
2 種類と分布 {A おさき/B くだ/C いづな/D 人狐/E 外道/F とうびょう/G 犬神/H やこ/I その他の動物霊/J とりつきすじ/K イチジャマとクチ}
二 憑きもの筋の残留
1 少数地帯と多数地帯
2 多数地帯の実態 {A 島根県出雲地方の実態/B 島根県隠岐島前地方の実態/C 大分県南部Y村の実態/D 高知県西南部T村の実態
3 多数地帯の成立
三 憑きものによる社会緊張
1 憑きもの筋自身の態度
2 非憑きもの筋側の態度
3 婚姻統計に現われた社会緊張
四 憑きもの及び憑きもの筋の特徴
1 憑依動物の特徴
2 憑依症状の特徴
3 憑きもの筋の特徴 {A 島根県東部N部落の場合/B 島根県半島部D浦の場合/C 大分県南部O浦の場合/D 高知県西南部G部落の場合}
五 憑きものと行者
1 憑きもの落としとその方法 その一 {A 憑きものの予防法/B 狐憑き発見法/C 薬物鍼灸療法}
2 憑きもの落としとその方法 その二 {A 神道加持/B 日蓮宗中山派の加持/C 修験加持/D 巫女の祈祷}
3 憑きもの使いの問題 その一 {A 憑きもの使いの存在/B 文献に現われた憑きもの使い/C 大陸の蠱道}
4 憑きもの使いの問題 その二 {A 飯綱と荼吉尼/B 荼吉尼信仰の本山/C 外法・式神・護法}
5 日本蠱道史上の問題点
六 憑きものと家の神
1 守護神としての動物霊
2 動物霊の勧請 {A 狐託宣/B 動物の予兆力/C 動物霊勧請の次第}
3 家の神の司祭者
七 憑きものと社会倫理
あとがき