1995年初版　帯折れ跡、スレ　カバー少凹み、上部僅イタミ　裏遊び紙少ラベル剥がし跡

「ルネサンス・イメージを根底から覆す画期的労作！！
アルチンボルド、ホフナーゲル、ファブリティウス、デューラー、ケプラー、Ｆ・ベーコン……の魔術的想像力を解読する。」（帯文）

目次：
序章　自然の掌握……パラダイムと問題点
「古代復興」と「新科学」／宮廷の役割／ワールブルクの方法／ルドルフのプラハ／「マニエリスム」への疑問／本書のテーマについて
第一章　自然の聖別……一五、一六世紀ネーデルランド写本装飾におけるだまし絵の起源
ボスクカイの字体見本帳／静物画の誕生／ホフナーゲルと「ヘント＝ブルッヘ」写本群／虚構としての空間／テキストと図像の関係／個人的な祈祷のために／書物と巡礼／聖なる標本／時祷書の中の昆虫／場所の記憶／頁を突き抜ける花／ほか
第二章　影の遠近法……投影理論の歴史
陰影への関心／絵画表現の曖昧な慣習／北からの光
投影をめぐるアルベルティの理論とその先駆者たち／レオナルドとデシューラーによる投影理論の発見／一六世紀から一七世紀にかけての投影理論に対するレオナルドとデューラーの影響／批判と訂正：ぼかしと太陽光による投影
第三章　自然の模倣……デューラーからホフナーゲルへ
模倣されるデューラー／雄弁家としてのメランヒトン／ホラティウスの影響／「自然の女王｣／ホフナーゲルとデューラーの接点／ほか
第四章　自然の変容……アルチンボルドの宮廷的寓意
アルチンボルドをめぐる通説／「学殖あるエジプト人」
フォンテオと彼のアルチンボルド解釈／アルチンボルドの独創的な絵画の鑑定／皇帝の頭：アルチンボルドによる変容の構成
アルチンボルドと皇帝イメージ／アルチンボルドによるウェルトゥムヌスとしてのルドルフ二世の肖像
第四章補説　アルチンボルドとプロペルティウス―ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ二世と古典世界
第五章　ルドルフ二世の凱旋門……一五七七年のルドルフ二世ウィーン訪問時の天文学、技術、人文主義、美術―ファブリティウスの役割
二つの凱旋門／ファブリティウスの一覧表／象徴の門／天球儀と地球儀／メランヒトンとコペルニクス／占星術・天文学・医学・植物学／詩人としてのファブリティウス／ほか
第六章　プラハにおける「古代と近代」……アルチンボルドの素描と絹織物業
ホフマン男爵への手紙
アルチンボルド発案の「デザイン」／アルチンボルドの怪奇趣味／アルチンボルドの怪奇趣味と気まぐれ／アルチンボルドと「古代・近代論争」／プラハにおける古代・近代：アルチンボルドの観客、芸術と科学
第七章　世界の掌握から自然の掌握へ……芸術室・政治・科学
ガリレオによる比較／芸術室をめぐる対立
世界の掌握？芸術室と文化政策／有用性の変容：世界の掌握から自然の掌握へ

巻末に原註、参考文献を収録