2004年初版 P219、203 各巻帯・カバー背および小口ヤケ
“狐に化かされた、大入道に出くわした、河童の写真を撮った……ほんの数十年前まで、多くの日本人がそれら「妖怪めいたもの」の存在を信じ、その体験を語り継いでいた。妖怪たちはなぜ、かくも長い年月にわたって普遍的な存在たりえたのか。広範な資料から日本の妖怪譚を収集し、その謎を探る。上巻には、路上、家、川、山などに現われる妖怪およびロクロッ首・一つ目小僧ら「ぶきみな化け物」、狐狸や猫、蝦蟇など「動物の怪」を収録。索引付。”(上巻カバー袖紹介文)
“タソガレの逢魔が刻からカワタレの暁闇、鶏鳴暁を告げるまで……「人外の魔物の時間」に戦々恐々としながら、人々は異界と隣り合わせに暮してきた。妖怪譚は実体験として人口に膾炙し、生活の中に脈々と息づいていた―日本各地に伝わる例話に詳細な解説文を加え、「神霊から妖怪へ」というパターンを内側から解きほぐそうと試みた好著。
下巻には鬼・天狗、山姥・磯女・雪女らの妖怪を集め、妖怪外伝・妖怪研究および索引を付す。”(下巻カバー袖紹介文)
目次:
【上巻】
はじめに
第一章 路上に出没する妖怪
〔解説〕股くぐり ノブスマ ツチノコ
一 足にまつわりつく化け物/二 ぶきみな仔豚の群/三 再度の怪/四 頭上の怪・ノブスマ/五 見越入道/六 頬撫
第二章 家の中の化け物
〔解説〕空想上の化け物 ザシキワラシ 産怪
一 ザシキワラシ/二 赤子の怪
第三章 河童
〔解説〕河童の実在 葦平の河童
一 河童/二 エンコウとガータロー
第四章 山童とその他の童怪
〔解説〕怪音の主 山童とタブー
一 山童/二 その他の童怪
第五章 ぶきみな化け物
〔解説〕ロクロッ首 一つ目小僧 一本ダタラ 海坊主
一 ロクロッ首/二 一つ目小僧/三 大入道/四 海坊主/五 牛鬼
第六章 ユーモラスなケモノたち
〔解説〕化ける狐・化かす狐・憑く狐 タヌキ・ムジナ・イタチ
一 キツネ/二 タヌキとムジナ/三 イタチとカワウソ
第七章 恐ろしい動物の怪
〔解説〕化け猫 狒々と猩々 蟇と蜘蛛
一 化け猫/二 狒々と猩々/三 蟇と蜘蛛
索引
【下巻】
第八章 鬼と天狗
〔解説〕オニの語源 オニの原型 オニと天狗
一 鬼/二 天狗/三 芝天狗と川天狗
第九章 山姥
〔解説〕女の妖怪 片脚上臈
一 山女・山姫/二 山姥
第十章 磯女
〔解説〕ダキの化け物 磯女 海女房
一 磯女/二 人魚
第十一章 雪女
〔解説〕雪女の正体 農神さまと雪神 雪女郎の侍女は霰 ハーンの雪女
一 雪女/二 雪男
付(一) 妖怪外伝
一 器物の怪/二 化鳥/三 樹木の精霊/四 主(ヌシ)
付(二) 妖怪研究
妖怪研究の目的 妖怪の総称 妖怪の分類 妖怪の特徴 通り神とミサキ 妖怪研究の今後
参考文献
解説(多田克己)
索引