明治37年再版　四六判　ソフトカバー　P498＋自序・目次ほか　裸本　全体に経年によるヤケ、汚れ、時代シミ　表紙端少イタミ、角小切れ　扉時代シミ多　巻頭に蔵書印

旧字旧かな遣い

ゲーテによる原著（全２部）のうち第１部のみの翻訳ではあるものの、同じく１部のみの新渡戸稲造版や、初めての完訳となる森鴎外版などに先んじて、日本語訳で刊行された最初の「ファウスト」と位置づけられる。

目次：
献本詞
舞台に於る序話
天上に於る序話

第一塲　夜景（ファウスト独語の段）
第二塲　城門前の光景
第三塲　書斎（悪鬼を攘ふ）
第四塲　同く書斎（悪鬼と契約を結ぶ
第五場　酒窟（魔王酔漢を弄そぶ)
第六場　妖婆の煉薬場（ファウスト若還りの薬を服す）
第七場　市街（ファウスト美人に邂逅す）
第八場　初夜（ファウスト美人の寝室を訪ふ）
第九塲　散歩（悪魔の大失敗）
第十塲　隣家（悪魔婦女子を誘惑す）
第十一塲　市街進行（ファウスト美人の許へ往く）
第十二塲　庭園（才子佳人と相契る）
第十三條　園亭内（喃々たる呢語）
第十四塲　森林洞窟（ファウストの座禅観想）
第十五塲　美人マーガレットの室内（マ娘煩悩を訴たふ）
第十六場　　マルタが家の奧庭（ファウスト其宗教を吟味せらる）
第十七場　噴井の傍（某女子の淫奔を譏る)
第十八塲　城壁内（マーガレット熱心に祈る）
第十九塲　夜中の格闘（マ娘の兄ファウストに殺さる）
第二十場　教会堂裏（マ娘の鬼に責めらる）
第廿一場　ワルプルギスの夜（百鬼夜行）
第廿二場　（間狂言）妖魔の金婚式
第廿三場　暗澹たる日子（ファウスト美人の零落を弔らふ）
第廿四場　夜行（妖婆の社）　
第廿五場　獄裏の惨況（ファウスト美人を救ひ出さんとす）