1988年　四六判　P241　帯およびカバー少スレ、少汚れ、背ヤケ大、端僅イタミ　天少汚れ

“いいや、滑稽なほど真面目だ
人間に残された最後のあたたかさとそれを表現する諧謔の軽妙さ―ヘルマン・ヘッセ、トーマス・マン、クルト・トゥホルスキイらが愛好した寄席詩人の泣き笑い。”（帯文）

ドイツの詩人であり、ミュンヘン、ベルリンの酒場や劇場で自作の詩を朗読する寄席芸人でもあったヨアヒム・リンゲルナッツ（1883-1934）の作品を収録。

目次：
リンゲルナッツのこと

秋波
　｛鰐／蟻／真田虫／小蛇／めくらあしなしとかげ／全生涯／蠅と南京虫／無宿者／花火と雄猫／過重／くらげ小母さんと象／廃馬／動物園の麒麟｝

木喰虫
　｛郵便切手／脚／嗅ぎ煙草入れ／浴槽／出産率／祝賀／地球儀／失敗に帰した愛の冒険／回り道／二個の分子が住んでいた／論理／譚詩｝

十字勲章
　｛公園にて／ブーメラン／玉突きの犠牲／フリューバイセンお袋のお喋り／友人が僕にした話／夕立の後／名誉心／黄金虫描く／子供のお祈り／広告／よく見れば／風邪をひいたニグロ女の夕の祈り／隠者の聖なるタ／あなたが新しい年を支配することが出来たとすれば、あなたは何をなさるでしょうか｝

手風琴
　｛運河の岸辺／シガレットの煙に寄す／僕の古い船時計／雪／哀れな草／自然／古い裏塀／夜の帰途／新しい遠景／陰鬱な日｝

卵黄火酒
　｛すべてに目算はずれた男について／ある乞食の日記より／ウェーデキント追憶／カッセル／ひそかな機械／霖雨／たびたび篩を潜れば／子供のころの写真を見て／川の秋｝

陳列窓
　｛かがよい／最短の愛／ビーレフェルトにての苦患／黒子のある少女／シュテティーン／香港／アムステルダムより／避暑地ゆきの手紙／のどかな一時／君が許へ／淋しい空の散策／Mに｝

詩人の晩年
年譜
あとがき