昭和58年 菊判 P772 帯端少破れ、背少ヤケ 函少汚れ、角少イタミ 本体カバー端僅スレ
“竹中郁の軌跡は昭和詩の歩みであった。
多様な試みによって現代詩を先導したモダニズムの時代から、抒情の底に人生の憂うつの深い影をおとす成熟期まで ―「光と影」の詩人の五十余年におよぶ全詩業を収録する。”(帯文)
目次:
【黄蜂と花粉】
花市 {撒水電車/庭/晩夏/一時/冬の倦怠/廻転鞦韆/テニス/桜果/造花術/春の朝/・・・ほか}
海の子 {日曜日/海の色調/海務/遠足/海の子/とんと気まぐれなお嬢さん/雨の音/冬にむかふ}
十八歳 {万華鏡序詩/蛙の声/夢/こばんいただき/星/草原は晴時計です/蟻/朝/明星}
【枝の祝日】
氷河期 {神経/疲労/停車場/退屈/日曜日/投影/タイプライタア/吸入器/進水式/化粧/浴場}
葦のペン {風/葦笛/秋昼/浴女/街角/梧桐/五月雨/浴槽/夏宵/青葡萄/巻末に}
【一匙の雲】
留針で捕へた煤ら
リトマス氏感覚反応紙
【象牙海岸】
三つのシネポエム {ラグビイ/百貨店/ハムマー/競馬/恐慌}
白鳥のやうに {白鳥のやうに/誌の行方/言葉もなく……/一本のペンで/雲/失はれたもの/愛の一部/位置/一夜/・・・ほか}
旅行の指 {紅海/船橋で/カイロの旅宿/千年/ナポリ 鮮明なナポリ/マルタン島(和蘭)/闘牛1/闘牛2/トレド/殺される牛/・・・ほか}
スエズ以東
孤独の記念
【署名】
わが署名{告白のごとく/半生の説/白紙/白い髪毛/鵞ペン/スフィンクス/手のなかの琴/庭にゐる家族たち/白い髪毛/海の署名/・・・ほか}
時の供物{牝鹿/不尽光/不良児/縁日/深夜のダイナモ/夕日のなか/悲劇/町をのぞむ/日の終り/人間力/・・・ほか}
葦の地方 {大掃除の日/廃屋/木精/滅んだ庭/青い町/蝶の道/ひとつの復讐/ちょつとした奇蹟/}
小品 {水運び/風船売/七歳の老婆/二回のベコニヤ/カナリヤ/犬・蜂・雀}
【龍骨】
四月馬鹿
一刹那 {雨中東海道/枇杷即興/七月炎天/車中偶成/一本の釘/庭の桐の木/シンガポール/燐光文字/峠の出会ひ/詩人告白/・・・ほか}
半眼 {抱ける琴/悲劇の翼/巒気/天女/光の襤褸/償ひ/老いたる詩人/鏡の前/来客/二階より何が……/・・・ほか}
首里逍遥 {首里少女/首里十三夜/那覇少女/首里小韻/浦添城址/首里月映/貝殻の窓/沖縄遠望/港の口笛}
忘れもの {三つの蝶/海の旅/寄宿舎/病床牧歌調/海ちかく/獣のまつり/真夏の夜の……/椅子の廃墟}
【動物磁器】
{動物磁器/ぼくは……/もらった火/昼と夜/掌のうへの店/旅立ち/二年前の日記/会はなかった人/たのしい磔刑/水族館にて/・・・ほか}
【ポルカ マズルカ】
I {あの笛/卒塔婆小町/あゆ ほたる 星/花は走る/ひるね/悼詩/命令/ぶどう棚/伝言板/今天/・・・ほか}
II {考える石/見えない顔/三いろの星/赤とんぼ/観光日本/夏の旅/夜の領分/埋葬/この太陽/あくび/・・・ほか}
【未刊詩篇】
{諷刺の手帳/雨/土のパイプ/故郷/傾く町/私は窓をしめた/肉屋の次中音/石と接木/灰と膝と/断片/・・・ほか}
老友
竹中さんのこと(井上靖)
竹中郁の世界(杉山平一)
解題(足立巻一)
年譜(足立巻一)
編者あとがき