昭和57年初版 A5判 P613 函少スレ 本体元パラ折れ跡、少汚れ 付・著者のモノクロスナップ写真1枚
ジャズ批評家・間章の著作集。
2013年に月曜者から「間章著作集」全3巻の第1として復刊されているが、昭和57年イザラ書房刊行のこちらの初版には、高橋巌が巻末解説を寄せる。
目次:
【フリージャズ黙示録】
解体と非連続の系譜
{囲碁くろんへの素描とその前書/転形論ヘの下降とその光景/地獄めぐりの論理となしくずしとニヒリズムの戦略 迷路をわたる都市ブルースの変容とその回路/地獄論の余白主たは自己破滅と“なしくずし”への無限過程(1)/地獄論の余白または自己破滅と“なしくずし”への無限過程(2)/地獄下りの諸相 ―ニヒリズムとデカダンスとの相剋(1)/地獄下りの諸相 ―ニヒリズムとデカダンスとの相剋(2)}
フリージャズ運動とその展開
{フリー・ジャズ戦略とその多様な地平変換と覚醒へのアマルガム/エントピアの地平―イギリス・フリージャズ・シーンをめぐって(1) AMMとSMEそしてISKRA1903の周辺/エントピアの地平―イギリス・フリージャズ・シーンをめぐって(2) フリージャズ・アナキスト群像/「黙示録」の終りなさに向けての断章 ―地獄論回帰}
【ジャズの“死滅”へ向けて】
廃墟論
{ジャズの“死滅”へ向けて/同一性と自同律について/無関心《ニル・アドミラリ》と無感動《アパテイア》について/記憶と忘却―廃墟―私.論へ}
倫理論
{非命と流刑―死者そして滅びへの倫理(1)/非命と流刑―死者そして滅びへの倫理(2)/悪と滅尽への倫理(1)/悪と滅尽への倫理(2}
否定神学論または死論 “神と死”をめぐるブルジョワ思想批判ノート
{ニヒリズムと死の人類学〈序〉/死の人類学“神と死”の埋葬/“西洋”と“ロゴス”の殲滅(1) ハイデッガー批判への視線/“西洋”と“ロゴス”の殲滅(2) ハイデッガー批判への方位/個と幻影の終り―“変革”への道/幻影から覚醒へ―“変革”への方位/革命への「アナーキズム」へ/「アナーキズム革命」の基礎とその存りか}
【季節の迷路から】
視線《まなざし》について/「夜《ニュクス》」そして朝の終り/鏡の中の男との対話〈1/扉の向う側の砂漠そして冬/ホモ・ヴィアトール/ジャズの終りがさらに遠い一日の中で/敵とその所在について/無季・非時《ときじく》/ニューヨーク もうひとつの冬またはガラス玉の中の雪/ニューヨークのフリー・ジャズそしてもうひとつの雪/ひとつの旅または机の上の双眼鏡/「一人の死者への手紙」―七六年・夏/鏡の中の男との対話〈2〉/迷宮《ラビリンス》論(1) 窓について/迷宮論(2) かごめ考/迷宮論(3) ルサンチマン/迷宮論(4) 固有者ブロッホの死/破片録 石原吉郎さんの死/『ジャズ・マガジン』休刊の彼方へ─最後の「季節の迷路から」にかえて}
【ジャズの末路《おわり》への考現学】
非在へ向かう虚の穴《サックス》
{アルト・サウンドの負性(1) オリヴァー・レイクと身ぶり/アルト・サウンドの負性(2)/アルト・サウンドの負性(3)/アルト・サウンドの負性(4)/ 声とテクネー サックス奏法の探究(1) サックスの本性そして宿命/ 声とテクネー サックス奏法の探究(2) サックスの現前そしてアンビヴァレンツ/ 声とテクネー サックス奏法の探究(3) サックスの奏法と戦略/ 声とテクネー サックス演奏における闘い/「非在へ向かう虚の穴《サックス》」後記}
排中律ピアノ論 ピアノの解体学
{無用の空箱─西洋としてのピアノ/ピアノの解体そして異化/ピアノの権力と強制《なしくずし》/ピアノヘの戦略とその異相(1)/ピアノヘの戦略とその異相(2)/ピアノの光景の此岸(1)/ピアノの光景の此岸(2)}
異化のギター 「ジャズの崩壊」症候群
{破壊者の肖像─序にかえて/異貌のギター 『受肉』への秘儀/「肉」と「存在」の交錯と「受肉」への闘い/「破砕」と「受肉」─ギタリストの系譜}
【非時《ときじく》と廃墟そして鏡】
「テロルとトポス」論 ジャズの現《うつし》をめぐる二・三の断片的考察
{アルバー卜・アイラーの「サマータイム」をめぐって/フリー・ジャズの思想と音楽の解放/フリー・ジャズの諸相と現在}
解体《デソレーション》と再生《リクリエーション》 反語的ロック・メディア論への素描またはロック分野における伝統と異化
{未明性としての伝統 伝統〈論〉への視線《まなざし》/ロックとジャズの異相/ロックにおける〈十九世紀〉の復権とクラシック音楽と現代音楽の影、そしてロックの地平《ホリゾント》}
チャーリー・パーカーの呪咀と終末論《エスカトロジー》
{即興演奏家の宿命としてのバードの存在と影について}
時代の未明から来たるべきものヘ
{ニヒリズムとアナーキズムをめぐるヨーロッパ・フリー・ジャズ・シーンの根底問題について/〈ナルチスの鏡〉の超克と破壊─西洋音楽の最後の冬/ニヒリズムの超克と来たるべきものの在処}
【ジャズの“死滅”へ向けて 最終稿】
ジャズの“死滅”へ向けて 最終稿
{ジャズの退廃と没落/〈ジャズは死んだか?〉の制度性/アナーキーな地平 デレク・ベイリーの示すもの/ジャズの“死滅”の彼方}
初出一覧
年譜
解説