1980年復刊1刷 A５判 序文・目次＋本文P230＋文献P16＋索引P25＋英文梗概P10 函端少ヤケ、角少イタミ 本体元パラ少シミ汚れ
本邦における河童駒引の民間伝承を端緒に、ユーラシア大陸各地の神話・伝承・俗信・儀礼に見られる水神と家畜、水神と猿といったモチーフを蒐集、比較検討する。
参照できる資料に制約の多かった昭和23年に筑摩書房から刊行された『河童駒引考』第一版に改訂を加え、1960年代の研究水準に即した論旨の確証と精密化に努めるとともに、漢文の引用を日本文に書き換えるなどの平明化も心がけた新版（1968年刊）を、改めて復刊。
目次：
口絵
新版序文
第一版序文
はじめに
第一章 馬と水神
｛日本列島―河童馬を引く―水辺の牧―駿馬竜種―名馬水より出る―中国とその辺境―竜馬―竜馬と化し馬龍と化す―玄奘の竜馬―天馬と竜―水辺に竜種を求む―天馬の子―水中の神馬―馬穴―馬上の水神―馬と大水―白馬穿―地下水―西域の水馬―ベトナムの丁部領―河神馬を求む―馬を水神に献ぐ―漢籍渡来―中国西部西北部―海の種馬―『千一夜物語』―家畜の雌と野生の雄―コウカサスその他―天馬ラシ―アナーヒタ神―ペルムの神像―イスラム圏と海の種馬―馬首の舳―ヴァルナ神―フィン族―水精ネッキ―ゲルマン族―反蹄反踵―オーディンとネッキ―スコットランド―水馬ケルピー―ブーブリーその他―鉄の忌―水精除けの呪―アイルランド―マナノーンの白馬―クーフーリヌの駿馬―聖ミカエルその他―女神エポナ―フランス―水馬―水の呪力―スペイン―洪水の馬―ロシア―雌馬ルサルカ―額上の天体―ボヘミア―不具者性と冥界―樹皮の呪縛―ライジッツ―首なしの黒馬―ハンガリア―ユーゴスラヴィア―太陽の馬車―古代地中海―馬神ポセイドーン―アレイオーンとペーガソス―騎馬のポセイドーン―馬の供犠―大地のポセイドーン―牛男ポセイドーン―花咲く枝の神―海の大牛―ハリスンの解釈―クレータの雄牛ミーノタウロス―祭司＝神王ミーノス― エジプト-クレータ-ギリシア ―仙境アトランティス―雄牛狩と闘牛―聖柱と犠牲牛―ミュケーナイ文明とポセイドーン崇拝―太陽とポセイドーン―外来神ポセイドーン―馬のクレータ渡来―故地リビュア―馬匹南下の波―“山の驢馬”―牛の飼育と神聖化｝
第二章 牛と水神
｛E・ハーン―月の神秘―月と女―雄牛と角―家畜の祭祀的起源説―車と梨―遊牧的＝父権的文化圏―月と女性と牛と農耕―母神像―渦巻文と蛇と月―母なる大地―月神話圏における牛と水神―豊饒力と牛崇拝―月と水―雨の雄牛―月の若水―馬と月―太陽の馬―馬と遊牧文化―上天信仰と馬―牛馬交替―ポセイドーンの大地神・農業神的性格―穀精と馬―水と牛―水神の求婚―処女供犠―牛馬を水神に献ぐ―馬首農神―南と北―スラヴ族―水男―トルコ族―フィノ・ウゴル諸族―水祭と牛馬―水の主―水精の牧牛―地霊の牛・井戸の牛―ゲルマン族―水の雄牛―ケルト族―セム族―“雄牛の井戸”―“海”を負う雄牛―ペルシア人―白馬と河神―雌牛の供儀―水馬伝説の分布とイラン族―聖なる牛尿―インド―先アーリア期の文化―洪水魔の供儀―水牛魔―アシュヴァメーダにおけるヴァルナ神―馬とムリテュ＝プラジャーパティ＝アシュヴァメーダの秘密―アディティ―大地母神と牛―雷雨神と牛馬―インドラ＝アダド型雷神―月と雷雨―雄牛にのる雷神―雷神の豊饒力―スサノオノミコト―雷神蛇形―中国とその辺境―雷と竜―雷電をもって悪竜を撃つ―蛟竜牛形―牛馬根源―殷文明―神農牛首―『山海経』の水中の牛馬―河伯僕牛―鉄牛水を鎮む―樹精の青牛―聖樹の一角牛―水中の青牛―蒙古の水牛―牛と風水―金鎖金牛―ベトナムの金牛―許真君孽蛟を鎖す―鉄柱鉄鏈―蛟竜鉄を畏る―水中の闘牛―李冰と江神―闘牛と豊饒儀礼―土牛と打碁―牛と“社”と“祖”―巨石文化と牛―鯉魚化して鉄となる―土中の石―鯉魚と蛟蛇―水中の石牛―石犀水精を抑う―石柱と犠牲牛―祖霊・大地・性器・蛇―鉄刀を揮って牛首を断つ― 竜馬-天馬対河牛-土牛 ―天を馬となし、地を牛となす―白馬青牛―ヤクートのアバシ神―日本列島―農耕と牛―水中の霊牛―牛と雨乞―牛の正月その他―河童駒引のなぞ｝
第三章 猿と水神
｛亀鼈―川獺―少童水神―罔兩―水虎―河水鬼―水《虫＋囚・皿》―頭上の盆―猿猴―水辺の猿―猿河童仇敵説―水怪巫支祁―孫悟空― 猿-馬-河童 ―ヴィシュヌ神―ガンダルヴァー―厩の猿―猿馬を癒す―沐猴馬に宜し―《けものへん＋胡》《けものへん＋孫》馬疫を辟く―弼馬温悟空―チベット族の猿猴始祖―《けものへん＋暇の右側》国馬化―楊姓と白馬《低の右側》―蜀の楊千度―交臂の玉猿―乗馬猿―猿引駒―猿の肝｝
むすび
｛水辺竜種―馬形の水神―牛と水―牛崇拝―月・大地・女性・牛・豊饒力と水―馬の南下―牛馬交替―西欧と東アジア―牛と農業― 竜馬-天馬と河牛-土牛 ―人類文化の連続性―猿猴―雷雨神―石文化―鉄の忌―世界史的視野の拡大へ｝
注
参照文献
索引
SUMMARY
