昭和47年10刷 四六判 P192 函少ヤケ、時代シミ 本体元パラ少破れ 天時代シミ
目次:
序章 文化と民族 {日本文化論のテーマ/民族の個性の形成}
第一章 日本人とは何か
{文化の共通性と差異/本多勝一氏の発見/日本人の国民性と他の国民性/人種的特徴による分類は可能か/民族の形成と国家的統一/宗教あるいは言語による民族的結合/二つの新聞記事から/言語は民族形成の基本的要因である}
第二章 日本民族の形成
{「日本人」の定着/戦後の教科書にあらわれた解釈/日本人の起源についての私の考え/日本民族にいつごろ現われたか/弥生時代の生活技術・経済/弥生時代には日本語が話されていた/魏志倭人伝の記録}
第三章 日本文化の源流
{生活革命は世界的な関連をもつ/稲作農耕の渡来の経路を探る/柳田国男の解釈/稲作農耕は南朝鮮から伝わった/日本に稲作農耕をもたらした人々/言語学からの考察/日本民族形成期としての弥生時代}
第四章 日本国家の起源
{村落共同体を管理するもの/宗教的共同体から軍事的共同体へ/古墳時代の性格と区分/移行の事実をどう解釈するか/騎馬民族説の根拠/日本と朝鮮の建国神話の一致点/二大勢力の対立と帰化人の渡来/騎馬民族説の有効性/再び国家統一と民族形成について/外来文明の受容と文化の源泉}
第五章 日本文化の特質
{文化の地理的境界線/対馬海峡の線/「鍵」の文化圏/キリスト教、儒教の浸透度/日本にはいらなかった宦官制度/東洋と西洋という区分は可能か/比較文化論からのアプローチ/稲作文化圏という特質/日本文化「封鎖的安定性」/族内婚的伝統と民族の生命力/西欧論理と日本文化の根底}
第六章 日本と西洋
{西洋観の変遷―明治維新と敗戦/「ドイツに戦中派はなかった」/ヨーロッパ人の責任感/ヨーロッパ人の力に対する信仰/ドイツ人の戦争に対する反省/牧畜文化と稲作農耕文化の相違/ヨーロッパ文明の理想主義/東と西の間をうめるもの}
あとがき (大藤時彦)