平成5年11刷 B6判 P291 カバー僅スレ、キズ、僅ヤケ P269端少シミ汚れ
自然崇拝の時代から仏教伝来を経て中世・近世にいたる仏葬の変遷や宗派ごとの葬法、政治との関わり、伝道や檀家制度をめぐる問題など、葬祭を軸に据えた仏教の歴史を整理・解説する。
目次:
はしがき
【第一部 政治と宗教】
一 自然崇拝 {たたる自然神―神となった蛇―死後の世界}
二 国造と宗教 {国造の宗教―利権と神話―神系図の意味―支配と侵略―局地神話}
三 天皇と宗教 {日本神話―降臨の神話―熊襲征伐の意味―奈良仏教}
四 領主と宗教 {貴族の宗教―荘園領主化―門跡の支配―神社の利用―本地垂迹説―石清水の場合}
五 政治との絶縁 {宗教として失敗―真実の宗教を求むる人々―もののけの恐怖―葬式仏教への道}
【第二部 葬式の展開】
一 葬式の民俗 {死霊―葬法―来世}
二 仏葬以前 {縄文葬制―弥生葬制―古墳葬制―大化改新―墓誌・墓標―死骸遺棄}
三 顕密の葬法 {仏教の葬法―南都の葬法―天台の葬法―天皇と仏葬―真言の葬法}
四 浄土の葬法 {源信の葬法―浄土の葬法―浄土真宗の葬法}
五 禅宗の葬法 {その古型―出家の葬法―在家の葬法―葬式仏教化}
六 葬式と迷信 {死霊のたたり―御霊信仰―陰陽道の迷信―一四〇〇年ごろ―一五〇〇年ごろ―友引の迷信}
【第三部 追善と墓地の発想】
一 追善の民俗 {墳墓―両墓制―忌服―お盆}
二 墓地と石塔 {墓地―墓堂―石塔―五輪塔―宝篋印塔―卵塔}
三 十仏事の型 {中陰―四十九日―十仏事―地蔵十王経―閻魔大王―十王信仰―地蔵盆―地獄宣伝}
四 十三仏事の型 {十三仏事―祥月月忌―血盆経―賽の河原和讃―禅宗の庶民化―浄土諸宗の庶民化―日蓮宗の庶民化―天台宗の庶民化―如法経塔―板そとば―板碑}
五 施餓鬼その他 {逆修の流行―施餓鬼会―冥道供―敵味方供養碑―流れ灌頂―盂蘭盆会―彼岸会}
【第四部 葬式仏教の課題】
一 郷村の仏教 {郷村の成立―宮座と堂講―鎮守と仏教―仏教の進出}
二 諸宗の伝道 {浄土宗―時宗―真宗―臨済宗―曹洞宗―日蓮宗―天台宗・その他―総括}
三 地区の点描 {東京―足柄―会津―米沢―高山―能登―熊本―人吉―総括}
四 檀家制の成立 {檀家制度―潮音の大成経―檀那請合掟―檀家制の弊害―廃仏論抬頭―一七世紀の廃仏}
五 神葬祭の問題 {吉田神道―神主の独立―神葬祭問題―平田篤胤―廃仏毀釈―檀家制廃止}