佛教説話研究第二巻 佛教説話の源流と展開 岩本裕 開明書院

昭和53年 A5判 P424 函少ヤケ、少汚れ、角少イタミ

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昭和53年 A5判 P424 函少ヤケ、少汚れ、角少イタミ

インドに起源をもつ仏教説話を題材として、同一モチーフを語りながら文献・時代・地域・翻案などによって異なる話の比較と、その伝播にともなう変遷、説話の中に用いられる譬喩についての考察、日本における受容と展開など、比較文学的なアプローチで論ずる。

目次:
【佛教説話の源流】
第一章 インドの説話文学
 {一 総説/二 佛教説話}
第二章 インド佛教と文学
 {一 ブッダと佛教の展開/二 佛教美術の世界/三 佛伝文学の成立/四 ジャータカ/五 アヴァダーナ}
第三章 佛教説話の世界
 {一 古代インドにおける説話の世界/二 佛教説話の展開/三 譬喩(一)/四 譬喩(二)/五 譬喩譚の展開 水に映る影(一)/六 水に映る影(二)/七 水に映る影(三)/八 水に映る影(四)/九 水に映る影(五)}

【わが国におけるインドの説話】
第一章 インド文化の受容と浸透
 {一 佛教の伝来/二 佛教の流布/三 インド文化の伝播}
第二章 わが国の文学とインドの説話(一) ―『今昔物語集』天竺部の説話をテーマにして―
 {一 『今昔物語集』の構成/二 『今昔物語集』の位置/三 『今昔物語集』の本質/四 『今昔』巻一の第十三話について/五 『今昔』巻一の第十三話の出典}
第三章 わが国の文学とインドの説話(二) ―江戸小咄「蒲焼」の原型と「賢者物語」の展開―
 {一 江戸小咄「蒲焼」/二 インドの愚者物語/三 賢者物語(一)/四 賢者物語(二)/五 賢者物語(三)/六 賢者物語(四)/七 「賢者物語」の系譜}
 第四章 わが国の民話とインドの説話 ―「猿の生肝」から「くらげ骨なし」へ
 {一 「猿の生肝」(一)/二 「猿の生肝」(二)/三 『マハーヴァストゥ』における所伝/四 『佛本行集経』における所伝/五 その他の漢訳佛典における所伝/六 『今昔物語集』における所伝/七 『沙石集』における所伝/八 「くらげ骨なし」}

【佛教説話の展開】
第一章 アングリマーラの帰依
 {一 アングリマーラ帰依譚の意義/二 アングリマーラ説話の梗概/三 説話の展開/四 わが国における所伝/五 因縁譚/六 佛教説話に見える初夜権}
第二章 デーヴァダッタの反逆
 {一 二つの悲劇/二 南伝の律『小品』の所伝/三 北伝の律『破僧事』の所伝/四 佛伝文学における所伝/五 『バドラカルパ=アヴァダーナ』における所伝/六 『法華経』におけるデーヴァダッタ/七 『今昔』における所伝}
第三章 コーティカルナの出家
 {一 佛弟子たち/二 『コーティカルナ=アヴァダーナ』/三 南伝のヴィナヤにおける所伝/四 漢訳の律文献における所伝/五 有部と根本有部の歴史的背景}
第四章 クナーラ太子の寛容
 {一 『今昔』におけるクナーラ説話/二 漢訳佛典の所伝との比較/三 『三国伝記』におけるクナーラ説話/四 梵語原典に見られたるクナーラ説話/五 歴史的背景と地理的環境}
第五章 チャンドラ=プラバ王の布施
 {一 布施と自己犠牲/二 『今昔』における大光明王の説話/三 月光王の布施(一)/四 月光王の布施(二)/五 月光王の布施(三)/六 月光童子が眼を布施する説話/七 快目王が眼を施し与える説話/八 婆羅門労度差の説話(一)/九 婆羅門労度差の説話(二)}
第六章 マイトラ=カニヤカの遍歴
 {一 ウッタラ=クルと極楽浄土/二 海の向こうの世界/三 マイトラ=カニヤカの遍歴/四 ミッタ=ヴィンダカの遍歴譚/五 『弥蘭経』における所伝/六 『雑宝蔵経』における所伝}
第七章 善事太子の苦難
 {一 善事太子の冒険譚/二 クリタジュニャの説話/三 盲目の案内人のモティーフ/四 わが『百合若大臣』との関係}
第八章 美男になったクシャ王子
 {一 『今昔』における燼杭太子の説話/二 『賢愚経』の所伝との比較/三 『ジャータカ』におけるクサ王子の説話/四 『バイシャジヤ=ヴァストゥ』における所伝}
第九章 女色に敗れた一角仙人
 {一 「一角仙人」説話の祖型/二 佛教徒の所伝(一)/三 佛教徒の所伝(二)/四 佛教徒の所伝(三)/五 漢訳仏典の所伝(一)/六 漢訳仏典の所伝(二)/七 中国における所伝/八 わが国における所伝(一)/九 わが国における所伝(二)/一〇 わが国における所伝(三)/一一 わが国における所伝(四)/一二 説話の始源説}
第十章 セイ口ン島綺譚
 {一 執獅子国の伝説/二 セイロン島の史書の所伝/三 宝玉の島セイロン/四 夜叉の島セイロン/五 『ヴァラーハッサ=ジャータカ』の所伝/六 『マハーヴァストゥ』におけるご役人の商人の本生譚/七 『今昔』における僧伽羅の伝説/八 『今昔』の所伝の出典/九 『カーランダ=ヴューハ』におけるシンハラ説話/附説 十篇の説話の佛教的意義}

【佛教説話の諸相】
第一章 縁起の文学
 {一 波斯匿王の王女「醜女」に関する所伝/二 金剛「醜女」物語の梗概/三 「縁」と「縁起」/四 敦煌とわが国の文学}
第二章 目連救母伝説攷
 {一 目連救母伝説の母胎/二 目連救母伝説の展開(一)/三 目連救母伝説(二)―わが国―/四 目連救母伝説の転回/五 目連救母伝説の始源(一)/六 目連救母伝説の始源(二)/七 目連救母伝説成立の背景}
第三章 目連「地獄めぐり」説話の源流
 {一 中国の俗文学における目連伝説/二 「地獄めぐり」説話の展開}
第四章 『もくれんのさうし』の背景

あとがき
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