平成14年 四六判 P238 帯僅スレ、背僅ヤケ カバー背僅ヤケ、裏上端僅イタミ 天時代シミ
““モノ”が集まってくると今までに気がつかなかった疑問もおのずと湧いてくる。それに対する解釈を試みた結果、興味深い結論が導きだせたり、これまでたなざらしになっていた問題点の整理ができたりした。いわば“モノ”を通して、新たな妖怪の見方が見えてきたというわけだ。本書ではそんな体験のなかからいくつかを選んで、その資料とともに紹介しようと意図したものである。”(帯裏紹介文)
絵巻、錦絵、御札、双六、玩具、新聞など、「日本一の妖怪コレクター」ともいわれる著者が収集してきた妖怪関連資料を紹介しつつ、それらを通じて得た発見や、それぞれの時代・社会における“妖怪”の受容のされ方などについて解説する。
目次:
第一章 妖怪たちの結婚騒動 化物嫁入絵巻
{モンスターも結婚する/暗闇のウェディング騒動記/別刷りから新事実発見!/絵題箋の魅力/妖怪たちも自主規制}
第二章 バージョン違いの怪談 増殖する稲生物怪録
{妖怪譚の里へ/「切り継ぎ絵巻」を楽しみ/まったく同じものが存在しない/明治の稲生物怪録}
第三章 新種続々誕生!? 化物尽くし絵巻
{もう一つの「百鬼夜行」/幻の化物絵巻探索行/名無しの妖怪たち/新種たちの身元調べ/誤変換で新資料誕生!?/異種の妖怪図鑑}
第四巻 流行病から守ります 幻獣の御札
{指名手配されたツチノコ/怪物の見世物/雷獣尽くし/資料はまず裏面から見る!?/妖怪「アマビエ」の謎/幻獣売りのいる風景/幻獣の写真求む}
第五巻 モンスターと遊ぶ 妖怪双六今昔
{年末は妖怪双六探し/江戸の妖怪双六ブーム/妖怪たちのおもちゃ化/全国の妖怪を訪ねる/選べない双六の不思議/明治ならではの妖怪双六}
第六章 魔が笑う 諷刺としての妖怪
{漫画と妖怪/錦絵と妖怪の合体/妖怪諷刺画を解読/憎いのは松平容保/誰のための諷刺画か/欧米列強まで妖怪化!?}
第七章 妖怪トレカを集めよう 錦絵新聞
{日本の新聞初の妖怪絵/端境期のメディアと妖怪/新聞からおもちゃ絵へ/妖怪話はいかにして生まれたか/妖怪がメディアを変える}
第八章 妖怪グッズの楽しみ メンコ、シールからパチンコまで
{妖怪資料館の夢/メンコが研究資料!?/パチンコ台にとり憑く魔/神仏と同レベル/安い資料もあなどれない/感化院の謎のチラシ/妖怪たちを保護するには}
第九章 庶民たちの怪奇ショウ お土産や瓦版
{妖怪たちをお土産に/写真に撮られた幻獣/絵柄より書込みが大事!?/妖怪も「消費」される}
第十章 文明開化と妖怪ニュース 明治妖怪新聞
{明治の妖怪ニュースを追って/予言獣アリエの正体/記事のその後は?/コレクションは後世からの借り物/文明開化が新たな妖怪を産む/捕獲された空飛びネコ}
おわり