2009年25刷、2008年22刷 文庫判 P310、382 上巻カバースレ、少イタミ 下巻小口汚れ、P297下角折れ跡
“一九四九年、構造主義の原点をなす「親族の基本構造」によって注目をあびたレヴィ=ストロースは、その後サン・パウロ大学教授としてブラジルに滞在。その間、文化人類学者としての限りなき自己追求と、無であるが故にあまりにも悲しき熱帯の様相を交叉させながら、カドゥヴェオ族など四つの部族調査をおこない見事に結実させた。世界の文化人類学界に一大転機をもたらした不朽の名著。”(上巻カバー裏紹介文)
“上巻のカドゥヴェオ族に続き、下巻ではボロロ族、ナムビクワラ族などの社会構造を解明しながら、著者は民族学者としての自己から自己への対話を進めていく。そこには、日没が終りで始まりである熱帯を象徴する円環が構成の中にも思考の中にも張りめぐらされ、著者自身が象徴の中に組み入れられていく過程が告白されている。親族の理論、神話の論理、原始的分類の理論の三つの主要課題を持つレヴィ=ストロースの必読の代表作。”(下巻カバー裏紹介文)
目次:
【上巻】
第一部 旅は終った
1 出発/2 船で/3 アンティル列島/4 力の追求
第二部 旅のしおり
5 過去をふりかえって/6 どのようにして民族学者になるか/7 日没
第三部 新世界
8 無風帯/9 グアナバラ/10 南回帰線を越える/11 サン・パウロ
第四部 大地と人間
12 町と田舎/13 開拓者地帯/14 空を飛ぶ絨毯/15 群集/16 市場
第五部 カドゥヴェオ族
17 パラナ/18 大湿原《パンタナル》/19 首府ナリーケ/20 原住民社会とその社会形態
【下巻】
第六部 ボロロ族
21 黄金とダイヤモンド/22 善良な未開人/23 生者と死者
第七部 ナムビクワラ族
24 失われた世界/25 茨の荒野/26 電信線地区/27 家族生活/28 文字と権力/29 男、女、酋長
第八部 トゥピ・カワヒブ族
30 丸木舟に乗って/31 ロビンソンのように/32 大森林にて/33 こおろぎのいる部落/34 ジャピム鳥の茶番劇/35 アマゾン地方/36 ゴム林《セリンガル》
第九部 回帰
37 アウグストの神格奉載/38 ラムの小杯/39 タクシラ/40 チョンを訪ねて
訳者あとがき
学術文庫版あとがき
年譜