1985年5刷 P342 カバーヤケ、クスミ、角スレ 小口ヤケ
“キツネに化かされたとか、大入道に出会って目をまわしたとか、河童をつかまえて写真に撮ったとかいう話は、現代でこそ数少なくなったものの、かつては多くの人がそれら妖怪めいたものの存在をまじめに信じていた。
本書は、古典文学、随筆、昔話、伝説、民俗資料等の中から、日本人が体験した妖怪譚を数多く集め、なぜ日本人がかくも長い年月にわたってそれら妖怪を普遍的な経験として持ちつづけてきたかその謎を探る。”(カバー袖紹介文)
目次:
はじめに
第一章 路上に出没する妖怪
〔解説〕股くぐり/ノブスマ/ツチノコ
一 足にまつわりつく化け物
二 ぶきみな仔豚の群
三 再度の怪
四 頭上の怪・ノブスマ
五 見越入道
六 頬撫
第二章 家の中の化け物
〔解説〕空想上の化け物/ザシキワラシ/産怪
一 ザシキワラシ
二 赤子の怪
第三章 河童
〔解説〕河童の実在/葦平の河童/信仰の対象としての河童
一 河童
二 エンコウとガータロー
第四章 山童とその他の童怪
〔解説〕怪音/山童とタブー
一 山童
二 その他の童怪
第五章 ぶきみな化け物
〔解説〕ロクロッ首/一つ目小僧/一本ダタラ/海坊主
一 ロクロッ首
二 一つ目小僧
三 大入道
四 海坊主
五 牛鬼
第六章 ユーモラスなケモノたち
〔解説〕化ける狐・化かす狐・憑く狐/タヌキ・ムジナ・イタチ
一 キツネ
二 タヌキとムジナ
三 イタチとカワウソ
第七章 恐ろしい動物の怪
〔解説〕化け猫/狒々と猩々/蟇と蜘蛛
一 化け猫
二 狒々と猩々
三 蟇と蜘蛛
第八章 鬼と天狗
〔解説〕オニの語源/オニの原型/オニと天狗
一 鬼
二 天狗
三 芝天狗と川天狗
第九章 山姥
〔解説〕女の妖怪/片脚上臈
一 山女・山姫
二 山姥
第十章 磯女
〔解説〕ダキの化け物/磯女/海女房・海女
一 磯女
二 人魚
第十一章 雪女
〔解説〕雪女の正体/農神さまと雷神/雪女郎の待女/霰/ハーンの雪女
一 雪女
二 雪男
付(一) 妖怪外伝
一 器物の怪
二 化鳥
三 樹木の精霊
四 主(ヌシ)
付(二) 妖怪研究
妖怪研究の目的/妖怪の総称/妖怪の分類/妖怪の特徴/通り神とミサキ/妖怪研究の今後