1992年改訂1刷　Ａ５判　ソフトカバー　P311　カバー背ヤケ　上端僅イタミ

副題：不思議を体験するめまいの読書百科

“神話と聖書学からオカルト・予言・悪魔学・錬金術・性文学・怪奇幻想文学まで、奇書珍書といわれたものを一堂に集めた特設図書館”

目次：
奇書による大世界巡り
イリュージョン文化考　「奇」と「偽」の世界

１部　神話学
　神統記　ヘシオドス―ギリシア諸神と英雄たちの系譜／イシスとオシリス　プルタルコス―デルフォイの神官が描いた嘆きの母の原型／死者の書―エジプト人が聖視した死出の旅の儀礼書／エヌマ・エリシュ―バビロニアの「古事記」といわれる神話集／ギルガメシュ叙事詩―現存する粘土板最古の叙事詩／
ほか

２部　博物誌と旅行記
　プリニウス博物誌　大プリニウス―科学的にも興味ぶかい世界最古の大百科事典／動物寓意譚―道徳や論理を教える動物たちの奇怪な習性を集めた「神の動物園」／薬物誌　ディオスコリデス―魔法や呪術を含む古代の薬物の集大成／東方旅行記　マンデヴィル―著者の正体がわからない奇怪な東方旅行日記／支那図説　キルヒャー―中国のイエズス会士から得た情報をもとに作成された支那学の古典／
ほか

３部　聖書学
　死海写本―二十世紀にヨルダンの谷で発見された古写本／ダニエル書補遺―信仰と叡知をことほぐ旧約聖書の外典／パウロの黙示録―キリスト教の天国と地獄を論じた新約聖書外典／ニコデモ福音書―キリストによる冥府下りを描いた新約聖書外典／トマスによるイエスの幼時物語―幼きイエスの物語を展開する新約外典中の奇書／旧約聖書のフォークロア　フレーザー―西洋に伝えられる古代宗教生活の遺風

４部　偽書・暗号書
　台湾誌　サルマナザール―全編まったくのデタラメ記事から成る「日本人の植民地」台湾の歴史／シオンの議定書―反ユダヤ運動に火をつけたナチス幹部による偽書／ビリチスの歌　ピエール・ルイス―批評家もそれと知らずに激賞した古代詩歌の偽作／ボイニッチ写本―いまだに解読を許さない中世の魔術／シェークスピアの暗号書　ムーア他―有名なシェークスピアの戯曲はすべて匿名の著者による暗号書だった

５部　奇想文学
　カンディード　ヴォルテール―一八世紀のドタバタＳＦ、これを読まずしてフタンス革命は語れない／オーランドー　Ｖ・ウルフ―二つの性を変身する三世紀間の伝説／屍鬼二十五話　ソーマデーヴァ―ヒンドゥの奇譚集を基本とした奇書／オトラント城綺譚　ウォルポール―ゴシック・ロマンスの祖となった夢と予言の物語／ヴァテック　ベックフォード―千夜一夜の世界をイギリス風伝奇小説に昇華させた傑作／
ほか

６部　疑似科学とオカルト学・予言学
　象形寓意図の書　ニコラ・フラメル―錬金術の原理と方法／化学の結婚　アンドレーエ―「薔薇十字」極意の寓話／高等魔術の教養と儀式　レヴィ―近代オカルト哲学の原理／魔術　その理論と実践　クロウリー―秘教のカリキュラム／魔術師の朝　ペルジュ｜ポーヴェル―ＳＦ的人間改良の夢／
ほか

７部　悪魔学
　悪魔学・魔女異端審問（解説）
　悪魔学の古典書案内
　　鬼神論　ニコラ・ジャッキニエ―異端撲滅の古典的悪魔学／信仰の砦　アルフォンスス・デ・スピナ―魔教の全容と悪魔の分類／蟻塚　ヨハネ・ニーデル―妖術関係世界第二の刊本／魔女への鉄槌　シュプレンゲル・｜クラーメル―宗教裁判官の恐るべき聖典／悪魔憑きと妖術使いたち　ジャン・ボタン―魔女糾弾の技術と拷問技術／
ほか

８部　性文学
　女の平和　アリストパネス―性交拒否のストライキ劇／アルス・アマートーリア　オウィディウス―古代ローマの恋愛指南書／西洋古典好色文学入門　ベッカデルリ―ギリシア・ローマの性生活の万華鏡／ギリシア風俗史　キーファー―残虐・暴行・淫虐の諸形態／
ほか

９部　その他の奇書
　フリーメーソン黒書　フェリナール―南米で読まれている反フリーメーソン文書の初紹介／二十世紀の神話　ローゼンベルク―ナチスドイツの理論的指導書でアーリア人優位説を展開する／太平洋地政学　ハウスホーファー―世界の歴史を生活空間の拡大縮小過程として捉えた地政学のテキスト／西洋事物起源―西洋文物の起源を述べる該博な事典／神秘主義聖者列伝　アッタール―イスラム聖者の言行録