1992年初版 四六判 P254 帯クスミ カバーイタミ、少汚れ 目次、P14・15の間、P30・31の間およびP250・251の間に開きグセ
「鬼は天皇の影法師であり、両者の関係は『かくれんぼう遊び』に喩えることができる。従来は対蹠的とみられていた両者の深い共通点に着目し、日本の精神風土の核心に迫る!」(帯文)
目次:
第一章 斉明天皇を殺した鬼 (斉明天皇の葬儀を朝倉山の上から見ていた鬼/人に祟り死なせる鬼火・蛍火/天皇と「まつろわぬ鬼」たち/ほか)
第二章 鬼が「もの」と呼ばれたのはなぜか (鬼が「おに」と呼ばれるのは平安時代以降/『古事記』にはなぜ「鬼」表記がないか/鬼が「しこ」と呼ばれたのはなぜか/ほか)
第三章 まつろわぬ鬼神とヤマトタケルと天皇―『古事記』にない「鬼」表記が『日本書紀』にあるのはなぜか (大物主神は鬼神である/一言主神と雄略天皇/ほか)
第四章 人を食う「目一つの鬼」と生贄 (『稲生物怪録』と天目一箇神/「正月事」と山の神/生贄としての「佃る人」/尾張大国神社の「神男」/「殺される王」とスケープゴート/ほか)
第五章 女を食う鬼と人身御供 (三輪山伝説の箸と生贄の「マナ箸」/鏡作氏の娘を食う鬼と鍛冶の神/人身御供譚と一夜妻/ほか)
第六章 人を食う鬼と天皇 (天皇の国に鬼は住めない/『伊勢物語』の人を食う鬼/人を食う鬼としての天皇権力/天皇権力に祟る鬼/ほか)
第七章 天皇の后を犯す鬼 (染殿の后と交わった鬼/『善家秘記』の信憑性と真済僧正/「人を食う鬼」としての藤原良房/天皇の后を犯す鬼の話を流布した人々/ほか)
第八章 「おに」の語源と陰陽師と修験者 (「もの」から「おに」へ変ったのはいつか/折口信夫の「おに」の語義説/陰陽道と鬼/役小角と鬼神/「もの」から「おに」への変化と被差別者たち/ほか)
第九章 鬼と童子と天皇―八瀬童子をめぐって (鬼と童と禿/一寸法師と小子部/八瀬童子はなぜ鬼の子孫か/長髪と童子と童女/八瀬童子と天皇/ほか)
第十章 鬼・まれびと・荒魂 (中国の鬼神と穴師兵主神/沖縄先島の「まや神」と「マナ」/ほか)
第十一章 鬼・境界・蓑笠・影 (鬼と境界/鬼と蓑笠/境界人としての鬼と天皇/ほか)
巻末に注を収録