1990年 四六判 ソフトカバー P206 帯破れ、イタミ カバーヤケ 天地小口少汚れ P18、19僅汚れ 裏遊び紙ラベル剥がし跡
“鬼おこし 神くずし
童話作家が読みとく鬼の数かず。鬼ごっこの鬼、桃太郎の鬼、こぶとりの鬼、一寸法師の鬼、大江山の鬼、地獄の鬼、笑う鬼。その向うに見えるものは……”(帯文)
説話や民俗からの視点を中心として、ときには明治以降の童話や古史古伝などにも触れつつ、「鬼」のさまざまな性質について比較的平易な文章で辿る。
目次:
【I】
1 鬼遊び {・鬼ごっこの意味 ・遊びとスポーツ ・ごまみそずい ・童謡《わざうた》は神の声 ・ゆきはよいよい……}
2 鬼とは何か {・ポピュラーな鬼の姿 ・節分の巻ずし ・奥は鬼か? ・同義同音 ・奥の隠来説 ・隠は怨か 鬼の定義 ・鬼の字は骸骨 ・妖怪と神の類似 ・鬼と幽霊のちがい}
3 鬼と桃 {・ 古事記にない鬼の字 ・古事記にある鬼の姿 ・鬼神とは ・桃の呪術 ・桃と鬼の関係 ・王化の構図}
4 桃太郎の鬼 {・コラムの視点 ・桃太郎の思想 ・桃太郎の葬式 ・桃太郎の歴史}
5 続・桃太郎の鬼 {・皇国時代の鬼 ・童心時代の鬼 ・階級時代の鬼 ・侵略時代の鬼}
6 続・続・桃太郎の鬼 {・復員桃太郎 ・復活桃太郎 ・試行錯誤の桃太郎 ・島ひき鬼 ・なまはげ正月 ・鬼八}
7 鬼の子太郎
【II】
8 こぶとりの鬼 {・宇治拾遺の説教 ・なぜ鬼は人を食うか ・宗教民俗学の解釈 ・洞は地下への道 ・延年の舞 ・天の目は火祭り ・製鉄集団の鬼 ・死霊鬼・祖霊鬼}
9 続・こぶとりの鬼 {・本読みの名人 ・一ボコ二ボコ ・山伏の験競べ ・太宰治の瘤取り}
10 一寸法師と鬼 {・上京以前の法師 ・鬼に会う ・下剋上の時代 ・CMに使われた}
11 大江山の鬼 {・鬼=山びと説 ・御伽草子 ・人肉の宴 ・鬼神に横道なし ・鉄の意味 ・鬼伝説の研究}
12 酒吞童子・外伝
13 笑う鬼 {・笑うのは鬼か神か ・笑わない西洋の鬼 ・笑う女神 ・笑う日本の鬼 ・笑う鬼のいる意味 ・優越の笑い ・こわがる鬼}
14 地獄の鬼 {・この世とあの世 ・地獄の絵本 ・地獄八景 ・六道の一つ ・地獄のモデル・インド}
【III】
15 鬼を食った話 {・時代劇ファン ・鬼のような人間 ・アヨの一つ目鬼 ・痛きかなの鬼 ・利用される鬼 ・人が人を食う話 ・正真正銘の人肉料理}
16 鬼は内、福は内 {・追儺のはじめ ・スメラミコト考 ・追儺とは ・牛のルーツ ・節分の豆まき ・なぜ豆なのか? ・福の真意は― ・今なお、鬼は内と}
17 役行者と鬼 {・ヒトコトヌシ ・吉野は魔界か ・役行者の真意 ・前鬼・後鬼 ・木は鬼に通ず ・鬼のオス・メス}
18 ウシトラは鬼門 {・鬼の姓、九鬼氏ほか ・鬼姓ののる本 ・鬼=モノ・シコ・カミ・オニ ・古史古伝とは ・ウシトラのコンジン ・大本教と九鬼文書 ・ウシトラは鬼門か ・鬼の書・九鬼文書}
19 鬼の子孫、八瀬童子 {・“天皇の病気” ・八瀬童子 ・醍醐天皇期 ・八瀬童子の特徴 ・八瀬童子と天皇制のユ着 ・その精神構造 ・下の世話 ・童子はなぜ鬼か ・山族(山びと)について}
20 妖怪おこし神くずし {・神々はタダの人 ・神話と神社について ・三ナイ主義 ・神くずし ・続・神くずし ・妖怪おこしへ}
鬼ノート