昭和53年2刷 A5判 P270 函少スレ、少汚れ、背ヤケ大 裏遊び紙剥がし跡 三方色染
“……このわたしの小著は、もとより本格的、専門的な研究と呼べるようなしろものではなく、読み物ふうのエッセイとして書かれたものにすぎないが、それでも、秘密結社に関する綜合的な論述のほとんど見あたらない現在、この方面に興味をいだいている少数の読者の渇望を、幾らかでも癒す効果はあろうかと、ひそかに考えている。…”(本書巻頭「序」より)
函、表紙、天地小口まで赤色で統一され、見返しだけが黒色という装幀。
なお本書を含む「手帖」シリーズ3冊(黒魔術の手帖、毒薬の手帖、秘密結社の手帖)は同様の趣向で装幀されており、『黒魔術の手帖』は黒色(背題簽のみ赤色)、『毒薬の手帖』は緑色で統一されている。
⇒[
『黒魔術の手帖』商品ページを見る]
⇒[
『毒薬の手帖の手帖』商品ページを見る]
目次:
序文
秘密結社の輪郭
{秘密結社とは?/入社式の試煉/死と復活の象徴/分類の試み/準犯罪的な秘密団体/「聖フェーメ」団の秘密裁判/秘密団体はなぜ存在するか}
原始民族の結社とその名残り
{神秘な呪医の力/「蛇男」と「豹男」の団体/過渡儀礼/妖術使に踊らされるマウ・マウ団/昔の信仰の名残り/ヴォドゥー教と蛇の象徴/最後の犠牲宗教/サバト(夜宴)/妖術信仰の農村的性格}
古代における密儀宗教
{ドルイド教/エジプトの密儀/ギリシアおよびロオ マの密儀/ディオニュソスの密儀/エレウシスの密儀/オルフェウスおよびピュタゴラス教団/アッティスとキュベレーの密儀/ミトラ神の礼拝/キリスト教の祭儀の異教起源説}
グノーシス派の流れ
{グノーシス派の起源/マニ教の二元論/グノーシス派の性的乱行/グノーシス派異端の伝統/カタリ派の禁欲/テンプル騎士団の迫害/テンプル騎士団の入社式/バフォメットの秘密/なぜ十字架を踏みつけるか}
薔薇十字団
{その起源、社会的背景/その伝説、ローゼンクロイツの生涯/薔薇十字団員の奇蹟の能力/運動の発展/薔薇十字の象徴/『化学の婚姻』/薔薇十字団の子孫}
フリー・メーソン
{同業組合/ヒラムの伝説、その他の伝説/メーソンの歴史/メーソンの儀式/メーソンと政治/メーソンの敵}
さまざまな政治的秘密結社
{バヴァリア幻想教団/陰謀の長老、ブオナロッティ/イタリアのカルボナリ党/フランスのカルボナリ党/カルボナリの儀式およびサイン/「青年ヨーロッパ」党/ブランキと「四季の会」/アイルランドの秘密結社/ロシアのニヒリスト/ネチャーエフと「斧の会」/テロリストの活動/暗殺の時代/バルカン地方の政治結社/「黒手組」の陰謀と「ウスタシ」党}
クー・クラックス・クランその他
{K・K・Kの起源と創立/K・K・Kの復活/K・K・Kの儀式およびテロ行為/マルコムXの暗殺/ヒトラーと「ツーレ・グループ」/フランスの右翼/トロツキスト・グループ}
犯罪的結社その他
{「奇蹟の庭」の伝統/ナポリの「カモラ」/儀式と しての殺人/インドの暗殺団「サッグ」/ロシアの異端「フルイストゥイ」派/怪僧ラスプーチン/もう一つの異端「スコプツィ」派}
悪魔礼拝と魔術のサークル
{黒ミサのいろいろ/地獄の火クラブ/魔術師の闘い、ブーラン師とガイタ/ヴァントラスと慈善カルメル会/近代の教祖たち/ランドルフ博士と性の魔術/黙示録の獣クロウリイ/ブラヴァツキー夫人と神智学協会/シュタイナーと人智学協会}
アジアの秘密結社
{チベットのタントラ派/日本の邪教、立川流/中国、革命運動の起源/洪秀全と太平天国/義和団/青帮、紅帮、在家裡/紅槍会、大刀会/世界紅卍字会}
イスラム教の秘密結社
{スーフィー派の神秘思想/異端イスマイリ派/暗殺教団と「山の長老」/暗殺教団と麻薬ハシッシュ/ドルーズ派/アンサリエ派、ヤズィディス派}