昭和38年2刷 A5判 P240 函スレ、角および背イタミ、少ヤケ 本体背題簽イタミ 三方色染
“神に反逆する悪魔の数々の饗宴……人類の夜の思想……西欧伝説の悪魔思想等々を詩情と幻想で綴る世界魔術誌”(宣伝文)
“ここにその秘密を公開せんとする魔術は、一口に魔術と申しても、〈略〉奇術、手妻のたぐいとは何ら関係がない。これはこれ岩窟に起居せるホモ・サピエンス暗黒の幼年期より、人工衛星人魂のごとく虚空に飛び交う科学技術の白銀時代にいたるまで、たえることなく続くと見えた人類の夜の思想、かのフレイザア卿によって「宗教に先行する」と断定された人類の根源欲求、すなわち、民族学・人類学の専門用語にて「呪術」と呼ばれるものの別称にほかならない。
ただし、民族学・人類学が古代社会や原始民族の習俗研究からはじめて、各時代の魔術を客観的・科学的に究明し、魔術につきまとう神秘のヴェールを合理のメスによって剥がさんとする傾向を示すのに対し、ここでは、この本では、ことさら左様な扱いはいたさない。神秘は神秘のままで温存したい。むしろ、これらの雑然たる挿話的な神秘の集積のなかから、読者が詩やら、驚異やら、幻想やら、哲学やらの糧を自由に求められることを著者としては期待したい。…”(本書巻頭「序」より)
函、表紙、天地小口まで黒色で統一され、背表紙題簽と見返しのみ赤色という装幀。
なお本書を含む「手帖」シリーズ3冊(黒魔術の手帖、毒薬の手帖、秘密結社の手帖)は同様の趣向で装幀されており、『毒薬の手帖』は緑色(背題簽のみ赤色)、『秘密結社の手帖』は赤色(背題簽と見返しのみ黒色)で統一されている。
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目次:
序文
ヤコブスの豚
カバラ的宇宙
薔薇十字の象徴
夜行妖鬼篇
古代カルタの謎
サバト幻景
黒ミサ玄義
自然魔法もろもろ
星位と予言
ホムンクルス誕生
蠟人形の呪い
ジル・ド・レエ侯の肖像
聖女と青髯男爵
水銀伝説の城
地獄譜
幼児殺戮者