列島詩人集　編：木島始　土曜美術出帆社

1997年　A５判　P431＋資料　帯端僅スレ、背僅ヤケ　カバー背少ヤケ　小口僅汚れ　遊び紙に編者署名落款

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1997年　A５判　P431＋資料　帯端僅スレ、背僅ヤケ　カバー背少ヤケ　小口僅汚れ　遊び紙に編者署名落款

装幀：池田龍雄

“「列島」に集まった詩人たちの青春には絶望からの出発と地を這う輝きがあり目的と標的とが存在していた
（目的とは、戦前戦中の現代詩手法の技術革新に目ざめ、新しい言語造型を行為していくこと。標的とは、アメリカに従属する現代資本主義に対抗する反体制の位置を確保すること。その二つに絞られている）
「列島」という青春を通過してなん人の詩人が挫折し　よみがえり　生きのこったか
死体の眼底にも　生体の眼底にも　戦後の不安や失望は皆無であり
いまや高度情報資本主義の断末魔の状況がありありと現像されている（長谷川龍生）”（帯文）

1952～55年に刊行された詩誌「列島」の会員、同人、編集委員、寄稿した人、会員ではないものの編者の判断で収録を要請した人、49人の詩を収録。
※ただし「列島」に寄稿された詩の採録は原則として行わず、1997年春までに発表された作品から選び出している。いわば“列島詩人による「列島」以外の作品集”といった位置付け。

目次：
序文（木島始）

【河邨文一郎】
　北方の眼／詩人の脳／無名戦士の墓／ザ・ミッドナイト・サン／雪の朝／一本のけやきの影／夕陽たち
【吉田美千雄】
　幽霊1／幽霊2／天と地と／祖国の季節抄／間もなく終点／バランス／時間
【平間四郎】
　炭鉱長屋の水道にて／何の句切り
【大島栄三郎】
　凶象／「魔女を狩る仮面」の扉／裁きの歌／私の道／氷の海を／手術後遺症
【黒田喜夫】
　歩いていろ／変幻／空想のゲリラ／ハンガリヤの笑い／毒虫飼育／燃えるキリン／除名／餓鬼図上演／皮膚の叫び／沈黙への断章10／沈黙への断章13／沈黙への断章14
【安部公房】
　笑ひ／祈り／マスク／リンゴの実／嘆き／倦怠／宣言
【許南麒】
　海辺で／詩人／風／こころを送る／夜中の歌声／大邱林檎／商品論／天／月夜／日本のはて
【福田律郎】
　神よ／ミロの絵画／蛾／象／樹群／巣／骨のうた／泥／夢／かくれんぼ／S家の食事／移住民／禁猟区／生きる犯罪者／本の重さ
【井手則雄】
　鳥／港／兵士からの手紙／富士山麓／塔の歌／霧の歌／パレスチナへ／広場で／階段I／階段II／生の記憶／石を
【村松武司】
　祖国を持つもの持たぬもの｛第一部　出生　・一章　・二章／第二部　望郷　・十四章　・十六章　・十七章｝／朝鮮海峡｛一章｝／詩人の出発
【出海溪也】
　人工砂漠／砂漠I／砂漠II／砂漠III／悪水川のうた／胎内にて／黒い砂漠／巨大牛／ホンコン点描／黄葉眩想／火の啓示／ガムラ・スタン／水の遠景／鏡の裏／目について
【野間宏】
　火の縛め／魂の天体／君の肉眼の上の一噴きの涙は／星座の痛み／歴史の蜘蛛／馴鹿／東京／信号／植民地は炭坑の坑道よりも暗い／漂流する君／瞬間の鍍金／内耳の放火者
【椎名麟三】
　石の道化師／戯曲「姫山物語―二幕七場」より｛・富姫のうた1（第一幕第一場）　・富姫のうた2（第一幕第一場）　・富姫のうた3（第一幕第三場）｝
【安東次男】
　佐渡／六月のみどりの夜は／大古墳／死者の書／海戦／死刑宣告／日本の梅雨／碑銘
【木原啓】
　人体図／東京の片隅で／ある記録／検閲のない通信／私のロビンソン／ぼくはボタンをおした／朝と夜のゲリラ／末路の男
【関根弘】
　行ってみたことのない海に／死んだネズミ／女の自尊心にこうして勝つ／沙漠の木／樹／ヒゲの生えたピーター・パン／なんでも一番／夢の島／仙女／シンデレラ／バランス／古傷／雨期／夢／機械／銀行前／公園／奇態な一歩／病床のバラ／星の蜜
【瀬木慎一】
　子供の情景／軍靴／浅草／旧友／デイト／森／立方体の二等分／境／色
【柾木恭介】
　時が溶ける／隅田川／まだ生きている／魚の目／蘇った宮沢賢治が作りなおした時／極東軍事裁判判決／奇妙な一日／病気になる病院
【小林恒雄】
　どこへいった／種子／まっくろな家列／立川駅前の宵／麥ばたけのうた
【菅原克己】
　手／大切なもの／野／飢え／練馬南町一丁目／空気の部屋／金網／自慢話／最初のもの／マクシム／詩人の喪／ミルクとハンバーガー／ドン・キホーテ／海とこども／一つの机
【千田陽子】
　詩の朗読会／少年工／約束のむこうに／廃兵院跡／大森駅／昭和二十年三月三日
【且原純夫】
　聖なるもの／溢れる／歴史の一齣／愛犬の死／ジュラ紀の松／黙示録の世界／自己主張する樹
【鳴海英吉】
　虹／飢／葦／贋／土／鬼／樽／歌／河／松花江畔の念仏／草原／銃殺／鶴／さよなら
【山田初穂】
　乾いた胃袋／オシャレのメカニズム／渡米／ヘイ･ユウ／運河
【木島始】
　女のかがやき／蕩児ときに／生真面目火達磨／迷宮刑／日本共和国初代大統領への手紙／ぬけみち／お休みくんのうた／先立ったひとびと／それじゃ／バトンタッチのうた
【清水俊彦】
　覆われた空／おごそかにそれを言え！／プロセス／直立猿人／精神分析医の長椅子の上の馬のドローイング／一分間のシナリオ―その6／一分間のシナリオ―その7／しかし
【佐藤三夫】
　詩劇「プロメテウスと鷲」
【小海永二】
　峠　そのI／そのII／塔／心のここにない女を／洞／標的／期待／自殺未遂／発見／小鳥が餌をついばむように／拒まれた愛／詩人の秘密／詩人
【辻五郎】
　夜の飛行／橋へ／墓標としての声／落下する者の声／消えた声／剝がれてゆく声／造語症／「否」の行方／躓きの石／
【須藤伸一】
　或日僕は……／そんな地球／二人の娘に／昭和六十年八月十五日／心の事件／されこうべ
【中村温】
　砂の暦／占領／灰色の花びらと海と言葉／序曲／炎ノ街／河原／断崖の海
【井之川巨】
　出勤／勝利者／原料工場にて／怪猫／片方の靴／蛇／車め！／殺すな／もしもぼくが死んだら
【伊藤正斉】
　NOSTALGIA／Stand up get out／火／粘土／蛆／ロバと夜盗／纏足／火の舌／鶯窯／乾湿記／のだ　のだ
【河合俊郎】
　つながれた牛／揚げられる烏賊／裂ける雲／墓碑にむかって／灰の恐怖について／貝がらI／ぼくのなかの海／狼魚／遺言／遺書
【浜口國雄】
　東洋鬼I／東洋鬼II／東洋鬼III／勲章／或る殺意／貨車押／便所掃除／和子／自画像／養魚場
【櫻川直子】
　基地電源／暗い顔
【依田竜治】
　村にいて2／村にいて9／村にいて10／村にいて11／村にいて12／迷う村／捨てられる村
【津坂治男】
　石のことば／一足　ふんばる／涙
【湯口三郎】
　アンパン／修養日誌／焼跡拾遺（1）／おなじく（2）／おなじく（3）／おなじく（4）／おなじく（5）／悪について／Our Little Gangstar／続・続・悪について／古い都
【浜田知章】
　奴隷基地／一九五三年内灘／朝鮮の少女／生き残る／内灘・わたしの…あるいは雌伏の時／出現／磔刑図考／かくも長き実存
【長谷川龍生】
　理髪店にて／日本脱出／皇族駅／鉄道網の異想／人と迷路｝
【井上俊夫】
　寓意の水車／畦せせり／豆腐／「なみだ【涙】」／従軍慰安婦だったあなたへ／戦友よ、黄金の骨壺の中で泣け／銃声が聞こえる
【井田一衛】
　嘔吐／ヨセ屋にて／氷室にて／蛇女／黒い石／魚／針の地図／半跏思惟像或いはわが死への希求
【松本一哉】
　詩法／尼僧との対話／死んだまね／椅子
【福井久子】
　街角を曲ると／会話／錯覚／私の運命を手にかけよう／風船は飛ぶ／余白／旅／魚の変貌／風との対話／迷路
【御庄博実】
　五章　烙印「岩國組曲」より／カデンツア　「岩國組曲」より／うず潮／齢／胃袋／ヒロシマの川辺で／私は鳩　｛・I　花又は春　・II　炎又は夏　・III　川又は秋　・IV　雪又は冬｝
【大崎二郎】
　紙漉きのわらい（一）／紙漉きのわらい（二）／命日／宮城遥拝／カミのハイ／部屋にて
【山田かん】
　浦上へ／ロスアラモス／地点通過／鴉／朝鮮が見える／長イ日ノ底カラ声が……／白馬の天皇
【花田英三】
　貝殻の歌／皇帝のいない国／四行詩抄　｛・花　・花　・花　・豆｝／神さまというのがなつかしくて／パラダイス通りの泡盛屋で／オキナワン　ジョーク

解説「列島について」（中川敏）
あとがき（木島始）
資料詩誌「列島」目次集

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