パンドラの箱 神話の一象徴の変貌 ドラおよびエルヴィン・パノフスキー 訳:阿天坊耀、塚田孝雄、福部信敏 美術出版社

1975年 A5判 P214 函ヤケ、少イタミ 本体背および小口少ヤケ ページ端少時代シミ

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1975年 A5判 P214 函ヤケ、少イタミ 本体背および小口少ヤケ ページ端少時代シミ

“パンドラこそは最初の女性、美しき禍である。
神々からひとつずつ優れた特性を与えられた故にパンドラ(みんなの贈物)と呼ばれたこの美女は、ゼウスにもらった箱を抱いて地上に降り立つ。
彼女が禁断の箱を開けると、人間が宿命的に受け継ぐことになるあらゆる悪が飛び出し、希望だけが残る。―
「パンドラの箱」といえば諺にさえなっているが、実は、驚くべきことに、彼女は決して箱などは持ったことがなかった!
どうして彼女が、箱でもなくまた本来彼女自身のものでもない持物のために有名になったのか。いつ、誰が箱を持たせたのか。美術作品はそれをどのように表現したか。問題の箱のなかには何が入っていたか。箱をあけた運命の瞬間からのち、パンドラはどうなったか。―
これらのことを豊富な美術作品と文献を駆使して精査した本書は、美術作品と文学思想との関連を探るパノフスキーの『イコノロジー研究』の実際の適用例として最適のものであり、その興味津々たる展開は読者の知的興奮をそそる。”(函裏紹介文)

目次:
トーチブック版への序文
序文
第二版への序文

I 中世伝承におけるパンドラ
II 「箱」の起源 ―ロッテルダムのエラスムス
III パンドラと〈希望〉 ―アンドレア・アルチァーティ
IV パンドラと〈無知〉 ―ロッソ・フィオレンティーノ
V ローマ・プリマ・パンドラ、エヴァ・プリマ・パンドラ、ルテティァ・ノヴァ・パンドラ
VI パンドラ、「みんなの贈物」 ―エリザベス朝の人々とジャック・カロ
VII ピトイギア ―ヘシオドス対バブリオス他
VIII 浪漫主義、古典主義者、ヴィクトリア朝の人々

跋文 舞台のパンドラ ―カルデロン、ヴォルテール、ゲーテ、および古代後期の寓意

補遺
第二版への補遣
原註
訳者あとがき
図版目次
著作目録
索引
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