2010年 文庫判 P284 カバー端僅汚れ、裏上端僅破れ
“ヨーロッパの近代は、その後の世界を決定づけた。現代の繁栄も混迷もここに発し、21世紀になってなお世界が解決に苦闘する難題もまた、ここに源をもっている。では、なぜそのようなことになったのだろうか。教科書で習った近代ヨーロッパの重大事件、アメリカ合衆国の独立や、フランス革命、産業革命などは、私たちの生きる現代世界にどのような影響を与えているのだろうか。複雑で多様な要素からなる歴史を解きほぐし、個々の出来事の知識だけからは計り知れない近代ヨーロッパのインパクトの意味と深さを、平明かつ総合的に考える。”(カバー裏紹介文)
目次:
はじめに
1 ヨーロッパによる海外進出の開始
{1 ポルトガルのアジア交易参入/2 スペインによるアメリカ占領とアジアへの進出/3 ヨーロッパ対外進出の不幸な船出}
2 世界交易における覇権争い
{1 東インド会社設立とオランダのアジア進出/2 イギリス・フランスの大西洋海域への進出/3 イギリスとフランスによる覇権抗争}
3 一八世紀における社会経済と政治
{1 北西ヨーロッパにおける経済成長の開始/2 イギリスにおける立憲王政の安定化/3 一八世紀の啓蒙専制政治}
4 「啓蒙の光」と近代思想の誕生
{1 フランスの思想家たち/2 先駆者としてのジョン・ロック/3 有効性と目的合理性の追求}
5 人口増加の開始から「移動の世紀」へ
{1 世界の総人口の趨勢/2 ヨーロッパの総人口の推移/3 ヨーロッパからの大量移民}
6 革命に揺れる大西洋世界
{1 出来事とその意味の確認/2 アメリカ独立の意味とインパクト/3 フランス革命}
7 ウィーン体制と四八年諸革命
{1 ウィーン体制とはなにか/2 一九世紀前半ヨーロッパにおける革命運動/3 四八年諸革命への展開}
8 工業化と社会の変容
{1 イギリスにおける産業革命の開始/2 大規模工業の発展/3 輸送革命}
9 農村のヨーロッパと都市のヨーロッパ
{1 農村世界の持続と変貌/2 農業経済と産業経済/3 農村習俗の最後の輝き}
10 科学技術の実用化と産業文明の成立
{1 科学技術の進歩と応用/2 見えないものを見る/3 変わりゆく生活の情景}
11 国民国家とナショナリズム
{1 国民、国家、そしてナショナリズム/2 フランス革命と国民国家/3 ナショナリズムの変容}
12 植民地帝国という野望の衝突
{1 一九世紀なかばまでのヨーロッパの海外膨張/2 一九世紀後半の植民地争奪/3 イギリス・フランスの植民地帝国}
13 さまざまな帝国主義
{1 経済帝国主義/2 文明の拡大という論理/3 社会帝国主義}
14 第一次世界大戦という激震
{1 戦争勃発から予期せぬ塹壕載へ/2 長期戦における被害の拡大/3 長期化にともなう総力戦体制}
15 歴史文化の継承と芸術的創造
{1 時代の底流としてのロマン主義/2 歴史的なものごとへのこだわり/3 新しい芸術活動の叢生}
終章 近代ヨーロッパの光と陰
文庫版へのあとがき
参考文献
索引