2011年　Ａ５判　P649　帯・函付

“本邦初の完訳
恋の駆引き、情欲、邪恋、嫉妬。近親相姦、多重相姦、姦通、凌辱。さらには政略結婚、野心と裏切り、策謀……
美徳と悪徳の限りない対立が生み出す、十一の短篇による凄絶なピカレスク絵巻、ありとあらゆる欲望の変奏曲。”（帯文）

目次：
小説論
ジュリエットとローネーあるいはアンボワーズの陰謀、歴史物語
ふたつの瀬踏み
ミス・ヘンリエット・ストラルソンあるいは絶望の果て、イギリス物語
ファクスランジュあるいは野心のあやまち
フロルヴィルとクールヴァルあるいは宿命論
ロデリックあるいは呪縛の塔、寓話的コント
ロレンツァとアントニオ、イタリア物語
エルネスティナ、スウェーデン物語
ドルジュヴィルあるいは美徳の罪びと
サンセール伯爵夫人あるいは娘の恋敵、ブルゴーニュ宮廷の逸話
ウジェニー・ド・フランヴァル、悲愴物語

資料　『恋の罪』初版刊行時の記事・論争（一八〇〇〜〇一年）

訳注

執筆・刊行背景、各篇解説（橋本到）
『恋の罪』―悪夢と不条理の美学（私市保彦）