2001年初版　Ａ５判　P236　カバー汚れ、イタミ、裏上端破れ　裏遊び紙少剥がれ

アメリカ南北戦争の再建期直後の南部作家３人による作品から、黒人の語りによって構成されたものを中心にとりあげ、作家が黒人ナレーターに託そうとしたメッセージを読み解く。

目次：
はじめに
序章　ローカル・カラー文学
第Ｉ章　トーマス・ネルソン・ペイジ（1853-1922）　―南部農園家族の母形体を目指して―
　1　上流階級家系と創作意図／2　農園形態と話者の関与／3　構想と視座／4　『アンクル・トムの小屋』への応答／5　黒人観／6　黒人意識のからくり／7　旧南部家族像―有機的構成体／8　政治姿勢

第ＩＩ章　ジョエル・チャンドラー・ハリス（1848-1908）　―トリックスターの創造を目指して―
　1　中流階級家系／2　上流階級への対抗的視点／3　地方色文学観／4　「リーマス爺や」の誕生と発展／5　物語構成法の確立／6　「昼の人格」と「夜の人格」／7　「夜の人格」と「伝説」のリーマス爺や／8　リーマス爺やの教え／9　自己解放としての物語／10　トリックスター―ウサギから人間へ／11　トリックスター＝スパイの資質と役割／12　トリックスターの目指す社会

第ＩＩＩ章　チャールズ・ウォッデル・チェスナット（1858-1932）　―白人教化を目指して―
　1　黒人階級家系／2　文学創作参入への動機／3　「目的小説」の方向性／4　創作技法／5　ジューリアス、ジョンおよびアニーの役割／6　家族形体の実体と理想／7　『魔法使いの女』の成立過程

参考文献
あとがき
索引