1993年8刷 四六判 P347 小口僅汚れ 末尾奥付ページ汚れ 裏遊び紙剥がし跡
“仏教・道教の瞑想法、芸道、武道、さらには「気」の問題等、東洋の思想的伝統は「修行」を核とする独自の心身論を生んだ。
本書は、深層心理学・心身医学・大脳生理学等さまざまな角度から、日本を中心とする東洋的心身論の現代的意味とその可能性を明らかにする。”(カバー裏紹介文)
目次:
はじめに からだとこころ (対談:湯浅泰雄、石川中)
第一章 東洋的心身論と現代
1 東洋の修行の伝統と西洋の心身二元論的思考様式
2 静止的瞑想と運動的瞑想
3 瞑想の深層心理学的意味と心理療法
4 瞑想と心身一如
5 修行と芸道
6 日本武道の特質
7 心身分離的二元論から心身相関的二元論へ
8 身体の三つの情報システム
9 条件反射と自律系コントロール
書評 H・マスペロ『道教の養性術』
書評 坂本百大『人間機械論の哲学 ―心身問題と自由のゆくえ』
第二章 気と身体 武術・瞑想法・東洋医学
1 心・気の一致ということ
2 瞑想の訓練は気を変容させる
3 気の変容
4 気の変容に伴う内的イメージ体験の諸相
5 東洋思想における認識の意味 ―方法論的中間考察
6 東洋医学の身体観の基本的特質
7 経絡における気と情動の関係
8 無意識的準身体における外界志向作用
9 記憶と生ける身体
10 客観的科学と主観的科学
11 気と外界の関係
12 心・生命・物質
書評 黙示の時代 ―G・アードラー『生きている象徴』
書評 樋口和彦『ユング心理学の世界』
第三章 浄土の瞑想の心理学
1 はじめに
2 精神医学と宗教経験
3 インド的伝統にみられる思想表現と芸術表現の関係
4 中国と日本における浄土の念仏
5 定善観の心理学的解釈
6 死の問題
エッセイ シャルトルと長谷寺
エッセイ 三輪山の夢
第四章 密教の修行論とマンダラの心理学 ―身体の宇宙性
1 歴史的背景 ―山の仏教
2 密教の深層心理学的背景
3 『即身成仏』の修行観と宇宙観
4 イメージとしてのマンダラ
5 マンダラの深層心理学的考察 {(1)胎蔵生マンダラ (2)金剛界マンダラ}
あとがき