2014年 四六判 P310 帯付 カバー僅スレ
“身体史の集大成の書 名著『身体の歴史』入門
『身体の歴史』が扱う主なテーマ ―医学が身体の構造と病をどう捉えてきたか、身体とセクシュアリティー、絵画・彫刻・演劇・ダンスなどアートによって表現される身体、矯正や美容整形、身体作法やスポーツなど鍛えられ訓練される身体 ―本書はこれを明らかにし、身体の変容を総合的に捉える初の試みである。”(帯文)
“本書は、二〇一〇年に藤原書店から刊行されたヴィガレロ/コルバン/クルティーヌ監修『身体の歴史』(全三巻)へのいざないを意図して編まれた著作である。・・・”(本書『まえがき』より)
“複雑で多義的な身体は、医学、精神分析学、哲学、社会学、人類学、美術史、フェミニズム批評など、さまざまな知によって分析され、記述されてきた。
また芸術と身体の関係を考えれば絵画や彫刻は身体を特権的な表現対象にしてきたし、演劇、ダンス、バレエ、舞踏などは身体を直接に表現手段とし、そこでは身体が言語として機能する。
これらの領域において身体に関してなされた学問的な蓄積が、すでに無視しえないほどの分量に達していることはあらためて指摘するまでもない。
本書は『身体の歴史』への導きの糸になることをめざして編まれた。”(カバー裏紹介文)
目次:
【第一部 (インタビュー)『身体の歴史』とは何か(アラン・コルバン 訳:小倉孝誠)】
歴史の対象としての身体
医療の歴史と性の歴史
宗教と身体
身体の歴史と史料
感性の歴史
苦痛の歴史
快楽の歴史
地域ごとの特殊性
身体の自由
附 ミシュレが夫婦の快楽について語る
【第二部 『身体の歴史』の射程】
第I巻目次
第I巻 「からだ」と「こころ」の狭間で ―ルネサンスから大革命までの身体―(鷲見洋一)
聖と俗と性と
外化する身体
正常と異常の狭間で
力と美を備える身体
基本文献案内
第II巻目次
第II卷 感覚の主体、幻想の対象 ―十九世紀の身体(小倉孝誠)】
医学・宗教・芸術
快楽と苦痛
矯正と訓練
『身体の歴史』の周辺とその後
第III巻目次
第III巻 あざなえる視線 ―二十世紀の身体(岑村傑)
透明 ―医学の身体/快楽 ―性愛の身体/皮膚 ―飾る身体/鍛錬 ―スポーツする身体/見世物 ―「怪物」の身体/同定 ―測られる身体/暴力 ―戦争する身体/隔離 ―収容所の身体/英雄 ―スタジアムの身体/幽霊 ―映画の身体/螺旋 ―ダンスする身体/美 ―アートの身体/歴史への食欲
【第三部 知の言説から文学の表象へ】
I アンシアン・レジーム期の身体とその表象(鷲見洋一)
1 魔女をめぐる考察 {『魔女への鉄槌」の重要性/時代背景と民衆の恐怖心/悪魔と終末論/女性恐怖と魔女の誕生/悪魔との契約と呪い}
2 独身是非論 {最初期の辞書における「独身」/ディドロ『百科全書』とトレヴー辞典の対決/ポスト『百科全書』派対反『百科全書』派の論争/反『百科全書』派二人/外国での論争}
3 魔女から『マノン』へ {額縁小説と身体の不在}
4 「ラモーの甥』の謎 {現存性へのこだわり/ラモーのパントマイム}
5 サドの『閨房哲学』
II 幸福な身体のために ―十九世紀の性科学と文学(小倉孝誠)
1 性科学の言説 {身体の表象と文学/性科学の二つの潮流/愛と結婚へのオマージュ/ギュイヨ『実験的恋愛の手引き』/性科学のジェンダー性/独身という脅威}
2 独身主義から出産奨励のイデオロギーへ {女嫌いの文学/芸術と家庭の対立/多産のユートピア/ゾラ『豊饒』のイデオロギー}
III 二十世紀の文学と身体 ―ユートピア、目覚め、刺青(岑村傑)
1 諸学の身体 {百科全書の夢/先人たち/フーコーとともに/身体はユートピアか ―「ユートピア的身体」/永遠の回転}
2 小説の身体 {失われた身体を求めて ―『失われた時を求めて』/男の魂と女の身体 ―「刺青」/身体を記録する ―『ある身体の日記』/身体という文学}
参考文献案内