昭和48年 四六判 P356 帯ヤケ、スレ 函ヤケ、シミ、汚れ、背イタミ 本体小口少ヤケ、少汚れ 裏遊び紙上端ラベル剥がしがし跡、少濡れシミ
“太宰治、保田与重郎、有島武郎、小島信夫などを対象に、作家の表現行為がその鋭い感性に必然的に感受する異和と苦痛をとおして、固有の夢をどう生きるかと問う作家論集”(帯文)
目次:
I
太宰治
{1 『晩年』その他/2 『走れメロス』ほか/3 『津軽』をめぐって/4 『ヴィヨンの妻』ほか
保田與重郎
{1 世紀末の美学/「最後の人」と終末の意識}
有島武郎
II
小島信夫
{1 跛行の文学/2 『私の作家評伝I』
大岡昇平 ―認識者の夢想
{1 『その夏の今は』『夢の中での日常』/2 『硝子障子のシルエット』}
小川国夫
{1 『試みの岸』に触れて/2 『アポロンの島』/3 『闇の人』をめぐって}
大庭みな子
{1 荒地の抒情/2 『ふくない虫』/3 『栂の夢』}
森万紀子
{1 幻想なき文学/2 『黄色い娼婦』
武田泰淳
{1 武田泰淳の文明批評/『快楽』}
辻邦生
{1 『安土往還記』/2 『嵯峨野明月記』/3 背教者ユリアヌス/4 『辻邦生全作品』によせて/5 対談北杜夫『若き日と文学と』
三島由紀夫
{1 『小説とは何か』/2 三島由紀夫における古典主義美学}
III
現代小説のなかから
{椎名麟三著『懲役人の告発』/伊藤整著『発掘』/吉行淳之介著『暗室』/庄野潤三著『小えびの群れ』/加賀乙彦著『荒地を旅する者たち』/河野多恵子著『回転扉』/河野多恵子著『骨の肉』/開高健著『夏の闇』/安部公房―虚無からの出発/高橋和巳著『黄昏の橋』/倉橋由美子著『反悲劇』}
新しい世代の文学
{「ハイマートロス世代」の文学/古井由吉著『男たちの円居』・黒井千次著『見知らぬ家路』・小林信彦著『ある晴れた午後に』/古井由吉著『杳子・,妻隠』/古井由吉著『行隠れ』/芥川賞の古井由吉/森内俊雄著『骨川に行く』・山田智彦著『父の謝肉祭』『結婚生活』/吉田知子著『天也玄黄』/阿部昭著『司令の休暇』/生野幸吉著『私たち神のまま子は』・三枝和子著『死面の割れ目』/田久保英夫―《腐肉》としての生/宮原昭夫著『あなたの町』/高橋たか子著『骨の城』}
あとがき
初稿発表書誌