1973年　Ａ５判　P368　ソフトカバー　裸本　表紙少汚れ、背少ヤケ　裏遊び紙少ラベル剥がし跡　P5〜8折れ跡

明治の神仏分離令によって途絶えた秋田の修験に関する調査研究。歴史や活動の様子、かつての修験寺院などについて、その痕跡を辿る。

“明治の初　神仏分離令がでて廃絶となった修験、修験寺。見捨てられ、忘れさられ、ここに　百年。その果たした歴史的役割の大きかったにもかかわらず評価されることもなく　罪ある如く深く沈黙して多くを語らない。五百六十余寺。しかし　余燼は　われわれの心の底に　社会の中に　燻ぶりつゞける永遠の火である。余燼のかつての盛火を見たい　燻ぶりの奥に潜む火に近づきたいと思いつゝ　百年の歳月のながかったことをしばしば嘆じ　究明し尽しえぬ壁に抗し　一つの捨石としてこれを出版する。”（本書「はしがき」）

目次：
第一部　寺院総記
　1　佐竹時代以前の山伏
　2　佐竹久保田藩の当山派　｛Ａ　今宮常蓮院とその一族／Ｂ　大頭職／Ｃ　14ブロックの修験寺院一覧｝
　3　佐竹久保田藩の本山派
　4　湯殿行人派と羽黒修験　｛（イ）湯殿山行人派／（ロ）羽黒山伏修験／（ハ）現在｝
　5　岩城亀田藩の当山派　｛Ａ　組織／Ｂ　寺院一覧｝
　6　六郷本荘藩の当山派　｛Ａ　組織／Ｂ　法海寺事件／Ｃ　寺院一覧｝
　7　生駒矢島藩の当山派　｛Ａ　組織／Ｂ　寺院一覧／Ｃ　活動の時代的様相／Ｄ　転宗／Ｅ　番楽｝
　8　鹿角市（南部藩）の本山派　｛Ａ　組織／Ｂ　諸寺一覧｝

第二部　修験活動
　1　入峰　｛Ａ　入峰状況／Ｂ　手続と費用と資格／Ｃ　費用調達／Ｄ　木と米／Ｅ　入峰の促しと献金／Ｆ　大峰山登山口／Ｇ　先達寺｝
　2　県内の行場　（五の宮岳・松峰山・田代岳・七座山・高岩山・寒風山・本山と真山・鳥海山・八森白滝・小滝・不動滝・白糸滝・高尾山・入角山・御岳山・保呂羽山・東鳥海山・奥宮山・栗駒山・神室山・（鏑山・明沢岳）
　3　加持祈祷　｛Ａ　掠／Ｂ　堂社と密着／Ｃ　領主と密着／Ｄ住民と密着／Ｅ　修法と附法／Ｆ　堂社の修法／Ｇ　神子／Ｈ　開祖と当山派の始祖／Ｉ　他宗との紛争｝
　4　文化活動　｛Ａ　文学／Ｂ　寺子屋と私塾／Ｃ　相撲・火祭・奇祭の民俗行事／Ｄ　番楽・神楽｝

第三部　寺院各記
　1　佐竹久保田藩第１班小阿仁・合川地区
　2　　〃　第２班合川・森吉・阿仁地区
　3　　〃　第３班比内地区
　4　　〃　第４班大館・鷹巣地区
　5　　〃　第５班能代・山本地区
　6　　〃　第６班南秋田地区
　7　　〃　第７班秋田・河辺地区
　8　　〃　第８班男鹿半島地区
　9　　〃　第９班仙北西方地区
　10　　〃　第１０班仙北中央地区
　11　　〃　第11班田沢湖地区
　12　　〃　第１２班稲川地区
　13　　〃　第１３班県南の東方地区
　14　　〃　第１４班県南の西方地区
　15　岩城亀田藩
　16　六郷本荘藩　付仁賀保藩
　17　生駒矢島藩　付小滝修験
　18　鹿角市（南部藩）の修験

第四部　神仏分離
　1　神仏分離令
　2　神仏分離の発令
　3　神仏分離令の施行と神社
　4　修験復飾の苦心
　5　神仏分離の結果

あとがき