1990年3版　Ａ５判　ソフトカバー　P385　帯およびカバーヤケ　小口ヤケ、時代シミ　遊び紙少剥がし跡

“倭人の星・アマテル神の謎！
記紀の世界に封じられた神々の虚像と実像。通説に束縛された歴史観に挑む沢史学の決定版。”（帯文）

目次：
はじめに
序の章　むかし、河童がおりました
　｛河童にひかれた思い出／『河童』の詩を聴く／「河童は悪いヤツ」なのですか？｝
第二章　河童はなぜか、キュウリが好き
　｛キュウリはゲスの食いもの？／キュウリの身元を洗う／祇園さんの神紋はキュウリ／河童の好物は本当にキュウリか？　（・河童をキュウリ好きと決めた仕掛人がいた　・ルナールの『にんじん』に見る「河童性」　・河童には好きなものまで変えられた）｝
第三章　「穢れ」ってなんですか？
　｛殿上人だけが「人」であった世紀／「人の世」の異郷意識／こどもの戯れ事「エンガチョ」／こどもの穢れ事「エンガチョ」／貴族社会にあったエンガチョ思想／誤解されてきた「穢れ」の意味／「キタナイ」、「ヨゴレ」はなぜ「穢れ」と同義か｝
第四章　河童が便所で女陰を狙う理由
　｛河童の初見は『日本書紀』／奇怪な記紀編纂の意図　（・計画的に焼かれた天皇記　・大海人皇子は弘文天皇を殺した）／律令は神さまを骨抜きにした／限りなく河童に近い神々の系譜／記紀が狙った上御一人の意味／河童は猥褻犯と見られてきた　（・雪隠（便所）の好きな河童　・河童駒曳きの真相）｝
第五章　虚みつヤマトの国とは？
　｛「そらみつ」の意味をさぐる／ヤマタイを紹介したのは中国の古書／倭人がヤマ人（ヤマト）だった／案山子にされた明神さま／天津甕星を誅した謎の倭文神　（・倭文神の素性を考える　・使い捨てにされた倭文神）／邪馬台国は王権の恥部として抹殺？｝
第六章　容れられざる神々
　｛禁じられた星祭／天道信仰に見るアマテルの原郷　（・死の世界・多久頭魂神社　・倭人は中国や朝鮮の沿岸部にもいた）／唐人神の祠前に立って　（・下の病の神さまとは　・流され神の辿った道）／追分の町・江差の姥神様　（・北前船と江差文化　・折居明神という名の姥神様）／比売大神の素顔　（・伊勢の神に関わる野間神社　・比売大神は千変万化）｝
第七章　歴史の舞台裏・隠れ里奇聞
　｛鎌倉権五郎の故地　（・頼朝入府当時の鎌倉は“番外地”　・鎌倉党の首領・権五郎景政）／御霊社の奇祭・面掛行列と隠れ里　（・頼朝の子を宿した非人の娘　・隠れ里「銭洗」は金洗い場）／隠れ里を欺いた頼朝　（・隠れ里は意外に身近にあった　・「死」を約束させられた頼朝）／謎の人物・弾左衛門　（・オオタタネコの旧地・多田庄）／倭人の星・秦武虎は実在したか　（・海軍力のなかった中国・朝鮮　・秦武虎は猪名部の一族）／弾左衛門、鎌倉党の名跡を嗣ぐ　（・田楽狂いと秦武虎東下り　・武虎、平正盛に欺される　・稲村ケ崎・金山谷の産鉄民　・日蓮と隠れ里の人々）
結の章　河童鎮魂
　｛ゴマメの歯軋り　（・ゴマメは海蛇だった　・ゴマメにされてしまったワダツミ）／肥後伝説「権現さんと不動岩」　（・アズキを食わせて貰えなかった権現さん　・天照大神は日本国主と信じられた）／一目連と一つ目小僧　（・団子と石コロと一つ目小僧　・一目神は北辰のことだった）／七夕祭に隠された真相　（・天岩戸で、「鏡」がすり替えたアマテル神　・七夕様は「夷流し」された神）／河童の原郷に山笠を見る　（・王権に嫌われた「儺の津」の文字　・山笠は鉄王神・スサノオの荒魂振り）／狗童（天童）流亡の賦　（・「悪い」の語源は「童衆」　・江戸の謎染め「ヨキコトキク」　・津々浦々に通用した浄瑠璃ことば　・お水取り・お水送りが語ること　・神木・香椎宮の綾杉）｝

付・わが国における邪星神の構成と変容
あとがき
参考文献