昭和25年再版、27年初版、30年初版 A5判 P360、P372、P350 各巻全体に経年によるヤケ大、時代シミ、イタミ カバー汚れ、端少破れ 詳細は下記をご覧ください
「従来企てられたようなただ単に浅薄な迷信の打破を目的とするものではなく、迷信と称されるものの存在理由の根本をつき、その発生、変遷過程、現在の実状等を人文科学、自然科学の両面から公正妥当な検討を行って健全な生活慣習を養う基盤を得ようとする」という企図に基づき、昭和21〜22年にかけて文部省迷信調査協議会が全都道府県を対象に行った第一回調査、および昭和25年から行った第二回調査の報告。各識者の論考も収める。
【第1巻 迷信の実態】
昭和25年再版 A5判 P360 各巻全体に経年によるヤケ大、時代シミ、イタミ カバー汚れ、端少破れ P103〜106下角折れ跡
“本書は全国各地の迷信調査の結果をその発生、変遷、過程、現在の実状等を人文科学、自然科学の両面から公正妥当な検討を行い。それを実証的歴史的に解剖した報告書である。”(宣伝文)
旧字新かな遣い
目次:
序文
まえがき
第一章 迷信調査の結果と解説
1 天文暦に関する迷信 {一 序言/二 新暦と旧暦/三 十干、十二支の慣習と迷信/四 日の吉凶に関する迷信/五 九星判断に関する迷信/六 方角に関する迷信/七 地域別、学歴別、年令別の考察/八 地方別の考察}
2 妖怪に関する資料 {一 妖怪其の他の統計資料について/二 妖怪現象研究の意義/三 妖怪の存在する環境/四 妖怪の特色/五 妖怪を意味する一般的総称/六 妖怪資料 (一)山の怪 (二)路傍の怪 (三)家、屋敷の怪 (四)海上、海中、海岸の怪 (五)川、水辺の怪 (六)雪に因む怪 (七)目のまぼろし (八)耳のまよい (九)雑 ・統計表}
3 「おみくじ」と「占い」 {一 「おみくじ」や「占い」の発生と歴史/二 「おみくじ」や「占い」の現状/三 「おみくじ」や「占い」に対する体験者の心理}
4 医学と迷信 {一 はしがき/二 第七項の医療について/三 第九項 縁起、言いならわしについての医学的検討/四 第五項 精神(精霊憑依)についての医学的検討/統計表}
5 民間薬物療法 {一 緒論/二 各論 (一)神経系疾患 (二)消化器系疾患 (三)呼吸器系疾患 (四)血行器系疾患 (五)皮膚病 (六)小児科疾患 (七)産婦人科疾患 (八)総括/三 結論/附、胎毒下し}
6 農漁業と迷信 {一 はしがき/二 農業に関するもの/三 漁業に関するもの/四 天候一般に関するもの/五 農漁村の日常生活に関するもの/六 結び}
第二章 昭和二十四年度調査の手引き
1 第一調査
各地の慣習調査
2 第二調査
1 術者とその方術に関するもの {調査の解説 (一)術者の任務 (二)術者の職業化と専門化/調査すべき事項 (一)術者の身分 (二)宗教関係と職業化の程度 (三)方術習得の方法動機等 (四)占術の目的と方法 (五)密行の種類 (六)祈祷の信仰と形式 (七)方術の実習 (八)術者の社会性}
2 (生活慣習実例調査)妖怪、霊魂、つきものに関するもの {一 趣旨 (a)生活慣習調査のねらいとそのやり方 (b)民のあゆみの材料を集める仕事 (c)諸君の手でやる世界的な文化事業/二 調査の手引 (a)説明 (b)調査、記入の時の注意}
・調査項目 {一 霊と魂/二 お社のない神様と化けもの/三 うらない、まじない、加持祈祷をする人/四 おつげ、きざし、しらせ、前兆、予兆/五 家の建て方の吉凶、家相}
3 迷信に関する人の調査 {一 調査対象の説明/二 調査項目 (一)調査の対象になる迷信事実 (二)その迷信に関係した人の調査}
4 農業に関する迷信の調査
・調査項目 {一 農業/二 林業/三 漁業/四 食物}
3 呪術的現象の実態調査要項
・調査解説
・調査項目
第三章 縁起、言い習わし集
一 民間療法
二 禁忌 {(a)冠婚葬祭に関するもの/(b)数に関するもの/(c)時日、季節、朝、夜に関するもの/(d)住所に関するもの/(e)衣服に関するもの/(f)動物に関するもの/(g)器物に関するもの/(h)禁忌(雑)}
三 前兆予知(善)
四 前兆予知(悪)
五 前兆予知(その他)
六 呪術
七 卜占
第四章 天文暦法に関する迷信の解明
一 敬天授時
二 天地五行説
三 十干十二支
四 五行配当
五 鬼門
六 丙午
七 庚申
八 男女合性
九 厄歳
一〇 友引
一一 暦の中段下段
【第2巻
俗信と迷信】昭和27年初版 A5判 P372 全体に経年によるヤケ大、時代シミ、イタミ カバー汚れ、端破れ(一部欠損)
“お化けは果して出るか?河童はいまでもいるか?おみくじや占いは当るものか?胎毒下しの招待は? 鬼門・家相・卜占・呪術等の資料に基きその権威者が納涼風に書いた好読物。”(宣伝文)
旧字新かな遣い
目次:
まえがき
第一章 総論
一 俗信と迷信(長谷部言人)
二 迷信の定義をめぐって(日野壽一) {一 迷信の定義/二 迷信の時代性/三 迷信の価値判断/四 迷信と信仰/五 迷信心理}
三 文化遺産と迷信(今野圓助) {一 生活慣習・民俗・俗信・迷信の各段階/二 昔風な暮し方はすなわち迷信ではない/三 迷信論者と科学主義者及びその他の主張/四 今までの迷信論/五 信仰・宗教と迷信/六 迷信の学問上の定義/七 社会問題としての迷信/八 お助け爺さんと近代医学療法/九 妖怪研究から人間研究へ/一〇 自然科学以上と以下}
四 迷信を支えるもの―農村を中心として―(森秀男)
五 迷信をどう考えるか(座談会)
第二章 各論
一 爪を切って火にくべると気ちがいになる(日野壽一)
二 食い合わせ
三 満潮のとき人が生れ、干潮のとき人が死ぬ(赤松金芳)
四 災難よけの守札(古畑正秋)
五 牛のいない村(森秀男)
六 虚空蔵菩薩とウナギ(日野壽一)
七 病気と神仏(長谷部言人) {一 病気の種類/二 神仏の種類/三 個々の病気の種類と神仏の種類との関係/四 まじないの方法}
八 迷信に対する科学の範囲(古畑正秋)
九 迷信による殺人鑑定例(笠松章) {犯罪事実/検診記録/精神医学的考察/鑑定主文}
一〇 妖怪資料(その二)(今野圓助) {一 憑きもの種目/二 各地の妖怪報告資料/三 河童の名称とその分布地名}
第三章 結婚・妊娠に関する迷信の解明(日野壽一)
{一 妊婦が兔を食べると兔唇の児が生れる/二 妊婦のある家で竈を築いたり修理したりすると三ツ口の児が生れる/三 妊婦が二股大根をたべると双児が生れる/四 妊婦が火事を見ると赤痣の児が生れる/五 妊婦に対する教訓的禁止/六 妊婦に関する迷信の起源/七 胎教/八 胎児が男か女かの予知/九 安産のお守り/一〇 戌の日の箸帯/一一 満潮に人が生れ干潮に人が死ぬ/一二 結婚に関する迷信と縁喜}
第四章 附録
新聞資料 {社説/署名論考/新聞記事/投書}
放送劇『迷信退治』(作:落合聰三郎)
【第3巻 生活慣習と迷信】
昭和30年初版 A5判 P350 全体に経年によるヤケ大、時代シミ、イタミ カバー汚れ、端破れ(一部欠損) 巻頭数ページ角折れ跡 別冊集計表付き
“国民慣習調査、特に農林漁業者の迷信、暦による迷信、霊魂信仰による生活慣習の分布。民間療法と迷信、運勢判断に関する迷信等、判り易く解説した社会科教材として好資料。”(宣伝文)
目次:
第一章 国民慣習(迷信・俗信)調査の経過と調査結果の概要(原田種雄)
一 調査の経過
二 調査の目的と調査内容
三 調査方法
四 調査票の処理
五 調査結果の概要 {一 問題別全国総括/二 性別・年令別・学歴別等による分析について (a)男女男 (b)年令別 (c)学歴別 (d)地域別 (e)家庭の職業別 (f)本人の職業別 (g)農・林・漁業従事者の地域別 (h)本人の健康別 (i)本人の信仰別/三 各問題に対する回答の相関関係の分析について/四 迷信・俗信について「極めて肯定的な人びと」と「極めて否定的な人びと」/五 補助的記入事項相互の関係}
第二章 農林漁業者と迷信―職業別にみた迷信・俗信に対する態度の差異(森秀男)
一 職業と迷信との関連を見る二つの立場
二 農林漁業と他の職業との比較
三 農林業従事者の迷信 {一 地域性について/二 年令別について}
四 漁業と迷信 {一 地域性について/二 年齢別について}
五 結び
第三章 暦に関する慣習調査結果の解説―第一回と第二回の調査の比較を中心に―(古畑正秋)
一 第一回調査と第二回調査との調査項目の比較
二 十二支と人の性質
三 縁組の際の相性
四 丙午の女の性質―科学教育の盲点を示す悪質迷信の残存―
五 日の吉凶の使用―全般的に支持率が高く職業による差の特に著しいもの―
六 家相のよしあし―迷信的なものと科学的なものの混在―
七 職業別、学歴別の差異についての一考察
第四章 霊魂信仰による生活慣習の分布(今野圓輔)
一 第一回調査および第二回調査における関連事項
二 「ばけもの、幽霊は今でもいるとおもいますか」
三 虫のしらせ、ということがあると思いますか」
四 「タタリというものがあると思いますか」
五 「死んでもタマシイがあると思いますか」
六 「犬神や狐などが人につくと思いますか」
第五章 民間療法と迷信(赤松金芳)
一 第二回調査に現れた結果の分析
二 魔法的民間療法の意味とその種類 {一 魔法的民間療法の発生/二 わが国古代の魔法的民間療法/三 現存する民間療法―とくに迷信的要素の多いもの―/四 病気の種類と魔法的療法―各地の実例―}
第六章 日本の吉凶と医事衛生(赤松金芳)
一 わが国で用いられる日の吉凶の種類
二 医事薬事と結びつけられる日の吉凶 {一 病因となる特定の日と行為/二 日の吉凶による病状予後/三 負傷と関連づけられる日/四 治療上の吉日と凶日/五 薬剤と日の吉凶/六 鍼灸の吉日と凶日/七 訪病を忌む日/八 沐浴の吉日と凶日/九 洗髪の吉日/十 剃髪の吉日/十一 白髪抜除の日/十二 爪甲剪除の吉日と凶日/十三 洗濯を忌む日/十四 夢を語らぬ日/十五 飲食に関する吉日と凶日/十六 掃除の吉日と凶日/十七 交接の吉日と凶日/十八 妊娠に関連した吉凶日/十九 娩産に関する日と一の吉凶/二十 送葬の吉日と凶日}
三 全国慣習調査による日の吉凶の使用概況
第七章 運勢判断に関する迷信の解明(日野寿一)
一 易は当るか {一 運命に迷う/二 運勢判断実態調査の結果/三 易のなりたち/四 陰陽説/五 八卦/六 参天両地/七 河図洛書/八 易筮の術式/九 易経/十 斎戒・窮理/十一 易は当るか}
二 九星は当るか {一 九星術の効用/二 九星の数の神秘/三 九星の凶殺/四 還元問題/五 天盤・地盤/六 九星は当るか/七 家相}
三 運命とは何か {一 運命論のいろいろ/二 定命説/三 中国式の運命観/四 原始宗教的な運命観/五 仏教の宿命説/六 近代人の運命論}
第八章 生活慣習の傾向について―調査結果の問題別分析―(大場千秋)
一 十二支の問題について
二 相性の問題について
三 丙午の問題について
四 「おみくじ」や「うらない」について
五 御祈祷やまじないの効果について
六 化物、幽霊の存在について
七 「虫のしらせ」の有無について
八 「たたり」の有無について
第九章 縁起・言いならわし集
一 忌まれる行為―禁忌その一― {一 葬式の忌、死のけがれ/二 神の神聖に対する忌 (1)火の神・かまど神 (2)水の神 (3)厠神 (4)山の神 (5)正月神その他/三 朝、夜の忌/四 女性の忌/五 生命力の勝ち負けを忌む (1)同年齢 (2)同時出産 (3)双生子 (4)その他 (5)人間と動物の同年齢/六 禁忌動植物/七 農漁業の禁忌/八 食制の忌/九 方角の忌/十 その他―建築・土地の忌を含む―}
二 数の忌―禁忌その二― {一 三という数字/二 四の数字/三 六の数字/四 七およびその他の奇数/五 八、九の数/六 奇数、偶数/七 山に入らぬ日/八 その他}
三 日・月・年の忌―禁忌その三― {一 日の吉凶/二 忌まれる日/三 忌まれる月/四 土用、寒/五 忌まれる年、年まわり、厄年―禁忌その四―}
四 忌まれる言葉
五 前兆予兆 {一 鳥の予兆/二 夢じらせ(夢判断)/三 気象(日や星の変事を含む)/四 うどんげの花(予兆)、その他の植物/五 動物類(狐、カニ、魚、犬猫、いたち、蛙、蛇)/六 茶柱(予兆)/七 出かけの鼻緒/八 死の前兆、予知/九 年の始めの前兆/十 朝の客の前兆/十一 朝ぐも、夜ぐも/十一 その他(雑)}
六 呪術・民間療法と占い {一 呪術(まじない)/二 民間療法/三 卜占(うらない)/四 たたり}
別冊 国民生活慣習(迷信・俗信)調査の結果の集計表