平成元年再版　Ａ５判　P360　帯破れ　カバー少汚れ、背少ヤケ、上端少イタミ　裏遊び紙剥がし跡

「“そんなはずはない！和尚さんにつけていただいた戒名だから”　その戒名が差別戒名であると知ったとき、老婆は無言で墓石を打ちくだき土中に埋めた。あまりにも苛酷な差別戒名の実態！　それが仏教の名によって行われていたという事実である。”（帯文）

目次：
はじめに
序章　差別戒名問題への道程
　一　「差別戒名」への道程
　二　「差別戒名」の実態
第一章　地名
　一　地名を考える
　二　地名の推移　｛「長久保」村｝
　三　道六神　｛「どうろくじん」／道六神の信仰／「しゅく」／道祖神祭り／「しゃぐじ」／｝
　四　村の中の地名　｛町名／地名を読む｝
　五　文献に見る賤民　｛「かわら」地名について／弥勒信仰／道教・仏教｝
第二章　過去帳
　一　勧進
　二　往古過去帳
　三　過去帳　｛過去帳類／近江国番場宿蓮華寺過去帳／相州鎌倉松岡過去帳／常陸国茨城郡六段田村六地蔵寺過去帳／和光院・東寺光明講・本法寺過去帳／下総国小金本土寺過去帳／常陸国赤浜妙法寺過去帳／書写山十地坊過去帳｝
　四　蓮華定院過去帳　｛蓮華定院と東信／高野山と高野聖／過去帳｝
第三章　手引き書
　一　手引き書類
　二　貞観政要各式目の成立
　三　貞観政要格式目と禅宗
　四　貞観政要格式目と三家ノ者
　五　道々のもの
　六　真言引導要集便蒙　｛目録／置字／位牌書様／引導要集便蒙と蓮華定院過去帳／商人・駄賃・皮剥｝
第四章　法度
　一　寺院法度　｛戦国大名と信仰／寺院法度｝
　二　キリシタン禁制　｛伴天連禁制令｝
　三　五人組と宗門改め　｛初期の宗門改めと五人組／五人組帳／五人組制の整備｝
　四　生活法度　｛生活の規制／田畑永代売買禁止｝
第五章　江戸時代の寺檀制
　一　過去帳　｛過去帳の成立／「死質帳」としての過去帳／信仰の規制―「別帳」の成立―
　二　位牌　｛村方の位牌／部落の位牌｝
　三　部落の過去帳　｛Ｔ寺過去帳／他寺院の過去帳｝
　四　過去帳の戒名　｛戒名・牌格とは／過去帳の戒名／追位｝
　五　墓標　｛近世以前の墓標／近世初頭の墓標／墓標造立の推移／牌型｝
　六　格式と墓標　｛田畑移動の公認／農村階層の変動／墓標と格式｝
第六章　墓標戒名の推移
　一　戒名位戒＝牌格の成立
　二　先祖供養　｛先祖供養と儒教／荻生徂徠と「先王」／享保の法度と先祖供養／寺院と先祖供養｝
　三　格式・牌格　｛浄土真宗の牌格／一揆首謀者の戒名／格式｝
第七章　差別戒名
　一　差別戒名の成立　｛長瀬村の部落／Ｓ寺過去帳／丸子の墓地墓標｝
　二　差別戒名の拡大
　三　革門卜りょう《帚の上部分＋大》
　四　革・草・《草の「日」が「口」》
　五　卜・僕　｛卜／僕｝
　六　旃陀羅・畜
　七　禅○門・尼
　八　日付け・年齢・名前
　九　手引き書による戒名
　一〇　時代による差別戒名の推移
　一一　頭書　｛連寂／没去｝
　一二　法名　｛玄／墳・西／賤称語の法名／法名のない戒名／部落と寺檀／明治期の差別戒名｝
　
付　貞観政要格式目僧官
あとがき