1996年初版　四六判　P420　帯およびカバー背少ヤケ　帯少破れ　カバー上部少イタミ

“それは無残な死か？幸福な死か？
すべてを棄てて、漂白の末路を選んだ文豪の最後の１年を追跡する傑作ドキュメント・ノベル！”（帯文）

“1910年11月、トルストイは旅の途次、寒村の駅長官舎で息絶えた。82歳の文豪を流浪へと駆りたてたものは何だったのか。
　最晩年の謎にみちた日々を、トルストイ夫妻、娘、高弟、秘書、主治医、それぞれの視点から浮かびあがらせる。
　回想のなかで明かされる、放蕩無頼の青春時代、情愛あふれる新婚の日々、……高まる名声とともに信奉者が集いはじめると、作家と妻ソフィアのあいだに断絶が生まれ、それは死の際までトルストイを苛みつづけた。
　実在する多くの記録をもとに、ありうべき手記を創作し、新しい文学の誕生を告げるドキュメント・ノヴェルの傑作。”（カバー袖紹介文より）

目次：
1　妻ソフィア・アンドレｰエヴナの手記／2　秘書ブルガーコフの手記／3　トルストイの手紙／4　妻ソフィア・アンドレーエヴナの手記／5　医師マコヴィーツキーの手記／6　秘書ブルガーコフの手記／7　ザーセカの森／8　三女サーシャの手記／9　妻ソフィア・アンドレｰエヴナの手記／10　トルストイの日記／11　医師マコヴィーツキーの手記／12　秘書ブルガーコフの手記／13　三女サーシャの手記／14　妻ソフィア・アンドレｰエヴナの手記／15　トルストイの手紙／16　秘書ブルガーコフの手記／17　トルストイの手紙／18　医師マコヴィーツキーの手記／19　高弟チェルトコフの手記／20妻ソフィア・アンドレｰエヴナの手記／21　三女サーシャの手記／22　ソーニャ　六行詩《セスティーナ》／23　妻ソフィア・アンドレｰエヴナの手記／24　秘書ブルガーコフの手記／25　トルストイの手紙／26　高弟チェルトコフの手記／27　秘書ブルガーコフの手記／28　トルストイ『さればわれら何をなすべきか』より／29　三女サーシャの手記／30　トルストイの手紙／31　秘書ブルガーコフの手記／32　妻ソフィア・アンドレｰエヴナの手記／33　秘書ブルガーコフの手記／34　トルストイの日記／35　家族の手紙／36　三女サーシャの手記／37　医師マコヴィーツキーの手記／38　高弟チェルトコフの手記／39　妻ソフィア・アンドレｰエヴナの手記／40　トルストイ『イワン・イリッチの死』より／41　秘書ブルガーコフの手記／42　悲歌《エレジー》
著者あとがき
訳者あとがき