1974年4刷 A5判 P299+人名索引P2 カバーヤケ、スレ、汚れ、端イタミ 小口および見返しヤケ 天時代シミ、汚れ
“…本書は「性的倒錯」につづく二番目の著書であり、同じく邦訳された「心身医学入門」や「精神分析と現存在分析論」より早い時期の著作である。「性的倒錯」と、この「夢」は、ともにケース・スタディが豊富であり、後期のものに比較して具体的で、より理解しやすいように思われる。とくに第三部においては著者自身が集めた一万余の夢を素材として、著者の「夢解釈」が展開される。フロイト以来、精神分析は夢研究を深層心理にいたる王道と考えてきた。著者は夢解釈の実際を通じて現存在分析という人間理解の手法を世に問おうとするのである。”(カバー裏紹介文より)
目次:
序
序論
【第一部 現代の夢の理論】
一 フロイトの夢の理論
二 フロイトの夢理論の基礎への批判
三 「チューリッヒ学派」の夢理論
四 「チューリッヒ学派」の夢理論の基盤に対する批判
五 「新分析的な」夢の理論
六 最新の非分析的夢理論
七 これまでの現象学的夢解釈の試み
【第二部 夢そのもの】
一 「奇妙な皿の夢」
二 「奇妙な皿の夢」の現象学的解釈の試み
三 夢の内容と夢の象徴理論
四 現象学的解明による「主体的・客体的両水準」の夢解釈の克服
五 元型の概念と人間的現象の具体的全体性
六 現象学的な夢解釈の実際的応用
七 要約
【第三部 夢みる人間の現存在可能性】
一 外傷夢の中での驚愕
二 夢の中での意志的決断的な態度
三 夢の中での反省的態度
四 夢の中で表象したりヴィジョンをもったりすること
五 夢の中で意識的に思慮をめぐらすこと
六 夢の中でも嘘をつくことができるということ
七 夢の中での無意識的な失錯行為
八 夢の中での世界との芸術家的なかかわり方
九 夢の中での倫理的判断
十 夢の中での神性とのかかわり
十一 夢の中で夢をみる可能性
十二 夢の中の夢についてひとは夢の中で分析することもできるということ
十三 魔法の夢の世界
十四 夢の中で「物として存在する」こと
十五 夢における「超感覚的な」かかわりの可能性
十六 夢における「無意味な」空間・時間関係
十七 「逆説的な何物か」の夢
【第四部 全体としての夢みることの本質への問い】
訳者あとがき
人名索引