2019年 文庫判 P361 帯端僅破れ、袖少折れ跡 カバー端ごく僅イタミ、袖僅折れ跡
“死者はみな平等”(帯文)
“追悼されているのは肉親、恩師、旧友、先達、論敵、文学上の友人、時代を象徴する著名人など多種多様、書かれ発表された経緯もさまざまな五十一篇。
ひとの死を契機にして書かれた掌篇の人間論という共通項を持つこれらの文章は、死者は平等との思いと自他の鎮魂を基底とする文言とに支えられている。
単行本未収録含め重要なエッセイを増補した新編集版。”(カバー裏紹介文)
目次:
梶木剛 梶木剛 追悼
小川国夫 小川国夫さんを悼む
清岡卓行 清岡卓行を悼む
清岡卓行 詩人清岡卓行について
大塚睦 清冽な色彩と繊細な線に守られた前衛画家
川上春雄 川上春雄さんを悼む
川上春雄 川上春雄さんのこと
本多秋五 本多秋五さんの死
島成郎 「将たる器」の人
大原富枝 いちばん鮮やかにのこる姿を偲ぶ
大原富枝 碑文
江藤淳 江藤淳氏を悼む
江藤淳 最後の立ち姿のイメージ
奥野健男 あの頃二人は
埴谷雄高 悲哀を悲劇にまで高めた一徹さ
宮田勘吉 別れのことば
山口瞳 『現代評論」の頃
小林平和 「地を継ぐ」柔和な人
谷川雁 詩人的だった方法
吉行淳之介 追悼にならない追悼
中上健次 比類のない文学思想
井上光晴 井上光晴の声
今西錦司 ただ一度の出会い
小山俊一 純乎とした覚者の死
小川徹 天と地がすこし寂しく
菅谷規矩雄 弔辞
三浦つとむ 別れの言葉
三浦つとむ他 かがやかしい独学像
美空ひばり 偉大な哀しさ
手塚治虫 昭和の死を象徴する死
昭和天皇 最後の偉大な帝王
磯田光一|鮎川信夫 ひとの死、思想の死
鮎川信夫 別れの挨拶
島尾敏雄 戦争世代のおおきな砦
黒田喜夫 倫理が痩せ細らせた
ミシェル・フーコー 現存する世界最大の思想家が死んだ
橋川文三 告別のことば
小林秀雄 批評という自意識
小野清長
J・P・サルトル 「静かな絶望」のなかの死
対馬忠行 駆けぬけた悲劇
遠山啓 西日のあたる教場の記憶
平野謙 平野さんの神々
竹内好 反近代の思想
村上一郎 哀辞
三島由紀夫 重く暗いしこり
三島由紀夫 「檄」のあとさき
岩淵五郎 現存するもっとも優れた大衆が死んだ
岸上大作 『意志表示』
岸上大作 時代の風圧の証し
吉本政枝 姉の死
あとがき
増補版のためのあとがき
文庫版あとがき
著者に代わって読者へ(ハルノ宵子)
もう一つの追悼私記(高橋源一郎)
解題(松岡祥男)