2010年　A５判　P358＋索引P4　帯付　P163〜166上角少折れ跡

“フロイトの「不気味味なもの」理論でオニール劇を読む！
狂気と理性、愛欲と慎み、信仰と背徳、真実と欺瞞、意識と無意識……
相反する観念が交錯する。
余韻は脳裏を駆けめぐり決して消えない。
生／性のエネルギーをもてあまし、破滅へと向かう人びとの悲劇。
トラウマ的な動機からオニール劇を解剖した著者運身の書。”（帯文）

目次：
序論

【第一部　自我の二重化《ドッペルゲンガー》】
第一章　仮面の男　『偉大なる神ブラウン』
第二章　ヤーヌス神の二つの顔　『特別な人』

【第二部　領域侵犯】
第三章　猿が艦から目覚める時　『毛猿』
第四章　パワー・オブ・ブラックネス　『皇帝ジョーンズ』
第五章　黒と白の十字路　『すべて神の子は翼がある』
第六章　西洋と東洋の境界線を踏み越えて　『泉』と『長者マルコ』
第七章　ジェントルマンになりたかった男　『詩人気質』

【第三部　居心地の悪い家】
第八章　居心地の悪い家　『楡の木陰の欲望』
第九章　マノン家に宿る神なき時代の呪い　『喪服の似合うエレクトラ』
第十章　抑圧されたものの回帰　『夜への長い旅路』

【第四部　死の誘惑】
第十一章　マゾヒスティックな涅槃願望　『地平の彼方』
第十二章　笑う不死者の秘密　『ラザルスが笑った』
第十三章　第七の封印が解かれる時　『氷人来たる』

結論

ユージン・オニール関連年表
ユージン・オニール作品
主要参考文献
初出一覧
あとがき
索引