1998年 ページ部分14.8×19.6 P287+著作索引P3 帯・カバー僅スレ、僅汚れ 表紙僅反り
“未知なる「私」をもとめて
ノスタルジアとエクゾティシズムの交点にひらかれた未聞の世界を綿密に読み解いた決定版澁澤龍彦論。”(帯文)
“……Iの部には家、博物館、美術館という三種の空間をめぐるエッセーをおさめた。IIの部には作品空間の時間的変化を追っているタイプのエッセーを、またIIIの部には回想記ふうの外観をもつエッセーを集めてある。
いずれにしても、特徴ある空間のイメージにたえず左右されていたこの作家の生涯を、あるいは時間とともに絶えず進化していったこの人物の作品を、できるかぎり多くの資料と見聞にもとづいて、いわば「時空の旅」でもするように読み解いてゆこうとしたものである。 ―本書「あとがき」より”(帯裏紹介文)
目次:
【I】
家について
{高輪に生まれる/川越の四年間/血洗島の大きな屋敷/滝野川の少年時代/鎌倉と「城」のはじまり/北鎌倉―最後の家}
博物館について
澁澤龍彥の博物誌的生涯
個別展示室 {石/貝/魚/虫/花/鳥/動物/怪物/天使/ウェヌス/自動人形/時計/玩物/鏡/夕口ッコ/紋章/庭園/終末図/地獄/宇宙}
美術館について
澁澤龍彦空想美術館案内
三十人の画家―美術 エッセーから {イタリア・ルネサンス/北方ルネサンスからマニ工リスムまで/十七世紀/十八世/十九世紀/二十世紀}
【II】
空間と時間
「澁澤龍彦」が誕生するまで
シュルレアリスムとの出会い 卒業論文を読む
はじめての訳書 コクトー「大跨びらき」
トロツキーと澁澤龍彦 『わが生涯』の周辺
庭園について 『夢の宇宙誌』から『ヨーロッパの乳房』へ
エッセー集の変遷
{『幻想の画廊から』/『黄金時代』/『胡桃の中の世界』/『記憶の遠近法』/『太陽王と月の王』/ 『マルジナリア』}
アンソロジーとしての自我
{『私のプリニウス』と「私」/コラージュの発見と展開/物語の方法―『ねむり姫』ほか/アンソロジー的自我/翻訳から創作へ/『フローラ逍遙』と最後の「航海」}
【III】
没後七年
澁澤龍彦の書斎
城について
四冊のノート 『滞欧日記』の発見
マッジョーレ湖
相撲
『裸婦の中の裸婦』
玉ねぎのなかの空虚 作品と生涯
あとがき
初出一覧
著作素引