1974年 四六判 ソフトカバー P450 ページ全体に上角少折れ跡 小口少汚れ
1971年にフランスで刊行されたものを翻訳。
ブルトンに代表されるシュルレアリスムにおけるアンドロギュヌス的な愛の思想、女性の理想化、エロティシズムの理論などを、男根主義的なものとして批判的に論じる。
目次:
序文(J=B・ポンタリス)
【第I部 シュルレアリスムの希望】
第1章 シュルレアリストにおける性的ファクターの重要性とその意義
第2章 破壊力としてのエロス
第3章 マルクス主義革命者における性的ファクターの位置
第4章 性的倒錯と社会に対するその破壊的かかわり
第5章 芸術は革命とおなじく肉体的な暴力行為である
【第II部 シュルレアリスムの作品】
A 女性
第1章 原初なるアンドロギュノスの回復 {一夫一婦制の神話}
第2章 自然としての女性、すなわち《善き女》 {花としての女、すなわち処女、童女/果実としての女、すなわち消費の対象/大地としての女、すなわち母、霊媒、詩神/星としての女、すなわち至純かつ神聖な創造者}
第3章 「悪魔ノ道具トシテノ女」 {捕えがたき女/かまきり、《有歯のウァギナ》 の動物/淫売/妖婦/女見者/魔女/シュルレアリスムの女性は男性のでっちあげである}
B 普遍化されたりビドー
第1章 自由な性 {禁忌と侵犯}
第2章 性的倒錯》 {オナニスム/獣姦/糞便愛好/屍姦/フェティシスム/集団性愛/露出症とのぞき趣味/フェラチオ/鶏姦}
第3章 同性愛 {男性の同性愛/女性の同性愛}
第4章 サド=マゾヒスム {肉体の変容}
シュルレアリスムの失敗
【第III部 シュルレアリスムの諸相】
第1章 シュルレアリスムの作品は、母親との関係が、世界に対する関係を構造化する原型となっていることを明らかにする
第2章 こうした関係は空想的なものだとも言える。そのため芸術家は、狂人、反社会的存在、さらには子供だとされる
第3章 狂気のシュルレアリスムからシュルレアリスムの狂気へ
第4章 欲望と掟、芸術の特権
第5章 芸術と幼年期、欲望の幻覚的充足
第6章 「芸術家はその幻想を新しい種類の現実として形づくる」(フロイト)
第7章 詩はひとつの犯罪である {字謎、酒落、ことばの入れかえ遊び}
第8章 シュルレアリスムの詩において女性は善であり、愛されている。シュルレアリスムの絵画において女性は悪であり、憎悪されている
第9章 男性における男根切除。レオノール・フィニ、ブニュエル、ダリ、トイエン、ブローネル、マグリットの作品
第10章 ベルメールの作品、性的倒錯
むすびに
訳者後記