昭和53年 ページ部分15.5×22.3 P197 函および帯ヤケ、少イタミ 本体元パラおよび表紙時代シミ多 小口少汚れ
“インドの説話文学は世界の説話文学の故郷である。紀元前九世紀を中心に成立した一群のブラーフマナ文献に見られる散文説話こそは、まさにその一大源泉である。詩的技巧の精彩には欠けるが、神・悪魔・人間等が織りなすドラマに、それが却ってアルカイックな興趣を添えている。著者はヴェーダ学の泰斗、その訳は質素で枯淡な原文を彷彿させる。説話文学に些でも関心のある読者には尽きせぬ興味を呼び起こすであろう。なお、各説話ごとに解題と詳細な訳注が付されており、ヴェーダ学に親しむ学徒必携の好著である。”(帯文)
“ブラーフマナ挿話の代表的なものとして知られ、比較的に興味のある長篇・中篇を先にし、インドラ神に関係ある物語(Indra-cycle)その他を列ね、次いで宇宙創造・哲学・来世観に関するもの、何らかの意味で歴史・文化を背景とするものに及んだ。一般に冗長で重苦しい雰囲気を和らげるため、やや軽快な短篇を一括してその後に添えた。…”(本書「まえがき」より)
目次:
まえがき
略字の説明
1 シェーパの物語
2 マヌと大洪水の物語
3 ブリグの地獄遍歴の物語
4 ブルーラヴァスとウルヴァシーの物語
5 サラマーとパニ族の物語
6 チアヴァナ仙の回春物語
7 祭祀の頭を回復した物語
8 ダディアッチュの物語
9 ヴリシャ・ジャーナの物語
10 マヌの妻女の物語
11 インドラとヴィシュヴァルーパの物語
12 ウシャナス・カーヴィアの物語
13 ナムチの物語
14 魔女長舌の物語
15 ヤヴァクリーの物語
16 アパーラー女の物語
17 ウパグ・サウシュラヴァサの物語
18 インドラが牡羊になった物語
19 インドラの罪過を焼去した物語
20 ブラフマンをめぐる入滅・生起
21 ナチケータス物語
22 創造神話
23 シャーンディリアの教義
24 五火の教義
25 十王戦争の物語
26 普遍火東進の物語
27 ケーシン・ダールビアをめぐる物語
{I ケーシン・ダールビアの潔斎/III アパチティ祭/III アヒーナス·アーシュヴァッティの悲敷/IV 死者との邂逅/V ケーシン・ダールビア対カンディカ・アウドバーリ}
28 ヴラーティア族の物語
29 短篇
{a. 二種の神格/b. 人間の4債務/c. 意と語とが優越を争った物語/d. 山の翼を切った物語/e. インドラが鷲となった物語/f. 月の中の兎の物語/g. 騾馬が不妊になった物語/h. 寒暑の起原の物語/i. 昼夜の起源の物語/j. 月の満欠・労症の起源の物語/k. 6悪徳の起源の物語}
30 日蝕の物語
31 野猪退治の物語
32 天上のソーマを地界にもたらした物語
あとがき