平成20年 四六判 ソフトカバー P224 カバー裏僅スレ
“現俳壇の中核的指導者として実力と人気を兼ね備えた昭和三十年世代の俳人たち。中原道夫・正木ゆう子・片山由美子・三村純也・長谷川權・小澤實・石田郷子・田中裕明・權未知子・岸本尚毅の10人を取り上げ、その歩みと現代俳句の今後の展望を指し示す、注目の最新評論集。”(カバー裏紹介文)
目次:
第1章 昭和三十年世代の行方
私の同世代俳人/飯田龍太の称賛/小林恭二の役割/俳句とは何か?/世代交代ということ/大正世代と昭和三十年世代/芭蕉も虚子も前衛俳句も/俳句人口の高齢化/誰に読まれる俳句か
第2章 中原道夫―濃密な知と情
団塊世代以後/代表句のある強み/〈白魚〉の句の「現代」/『蕩児』の出発/取りあえずの頂上/有情の世界/「詩」と「俳」の混沌
中原道夫の五十句
第3章 正木ゆう子―宇宙との交感
一つの文学作品/懐かしい宇宙/並び得ないはずのもの/宇宙と身体/ストレートな抒情/世界を受け容れる姿勢/非常に遠い鏡/『静かな水』以後
正木ゆう子の五十句
第4章 片山由美子―現代女性の抒情
言葉による音楽/俳句と時間/結社に育つ/「狩」調からの自立/俳句を読むということ/抒情の深まり
片山由美子の五十句
第5章 三村純也―花鳥諷詠の世界
気になる俳人/「晴」と「褻」/師弟の切磋琢磨/「五十句競作」の対極に/成長の軌跡/人事詠と自然詠/日本人の基層を探る
三村純也の五十句
第6章 長谷川櫂―俳句的世界観一
貴重な戦略性/古き志の文芸/俳句の「場」/『俳句的生活』の狙い/現代社会との回路/飴山實という師/読売文学賞受賞まで
長谷川櫂の五十句
第7章 小沢實―感興の鮮度
師弟関係/文字通りの新人/二つのものの距離/みひらいた眼差し/立句を目指す/謙虚な詩
小澤實の五十句
第8章 石田郷子―静かな象徴
波郷の葉書/正確なことば/ポエジーの純度/オフロードバイク/単純化と象徴性
石田郷子の五十句
第9章 田中裕明―思索する詩人
早熟の才能/限定十部/取り合わせの絶頂/混迷する主観/詩情がそこにあるから/扉が開かれる
田中裕明の五十句
第10章 櫂未知子―俳譜の原点
未完の日暮/遅れてきた走者/匿名の文芸/外連の世界/オリジナリティ/現代の虚無
櫂未知子の五十句
第11章 岸本尚毅―虚子に迫る
恐るべき早熟/自信に満ちた見極め/物の世界/わが若き日の分身/写生の到達点/花鳥調詠への思い/ストライクゾーンぎりぎり
岸本尚毅の五十句
第12章 深い泉の新しい水
フロンティアの消滅/温故知新/型からの自由/花鳥調詠の復権/現代の抒情/俳句の原点
「現代俳句の海図」関連年表
あとがき