
昭和44年 A5判 P174 全体的に経年によるヤケ大、汚れ、少イタミ カバースレ 小口シミ
装幀:池田龍雄
挿絵:依光隆
ハル・クレメントの代表作ともいえる小説『20億の針』を児童向けに翻訳。
“ある夜ふけのことです。南太平洋の小島のちかくに、えたいのしれない宇宙船が二せき、つづいて墜落しました。二せきともばらばらになって、海の底にしずんだため、地球上でこの事故に気づいたひとは、ひとりもいませんでした。
ところが、宇宙船にはそれぞれ、奇妙なかたちをした宇宙人がのっていたのです。ゼリーのような、ドロリとしたかたちの宇宙人です。もちろん手も足も、目もロもありません。しかし、これらの宇宙人は、おそるべき能力を持っているのでした。人間のからだの中に、いつのまにかしのびこんでしまうという能力です。
墜落した宇宙船の中からはいだした宇宙人は、やがて小島にあがって、ふたりの人間の体内に住みつきました。ひとりは日バート少年です。そしてロバート少年の中にもぐりこんだ宇宙人は、犯人を追ってきた「宇宙探偵」でした。では「犯人」のほうは、だれのからだの中にいるのでしょう。”(本書巻頭「読者のみなさんへ」)
目次:
墜落した宇宙船/サメにのりうつる/クラゲにばけて/ねらわれた少年/探偵の人間勉強/学校生活/ひとりで動くゆび/ふしぎのれんぞく/なぞの手紙/ふたりきりの会話/むすびついた心/校長先生のしんぱい/きけんな凶悪犯人/めんみつな作戦計画/あやしい人びと/六人のなかま/バイキンの勉強/ノーマンのなやみ/からだの中の悪魔/はれた疑い/サンゴ礁の事件/ケネディの災難/ころんだパパ/ゆううつな一日/意外なかくれ家/地球のやり かた/父をねらう目/蒸発した宇宙犯人
「姿なき宇宙人」について(解説)