
1980年初版 四六判 P334 帯僅背ヤケ 函僅汚れ、背僅ヤケ、天部時代シミ多 表紙背少ヤケ、塗装部スレ剥がれ 小口僅汚れ
装丁:政田岑生
“短歌芸術の宇宙への招待
歌人の最も愛する色を表題とした歌集『緑色研究』に材をとり、そこから觸發される意味と映像を紡ぎ出し、異種次元で蘇らせ構築し直した自歌の壮大な幻像増殖法百篇”(帯文)
塚本邦雄が自身の短歌百首を章題として、各作品から導かれるイメージ、回想、解説などを綴る散文集。
目次:(章題となる短歌の一部のみ記載)
含羞の辭
雛食へば……/サン・セバスチャン繪の中に……/鵞鳥卵つめたし……/馬は睡りて……/夏至のひかり……/アヴェ・マリア、……/孔子に随ふ虚女ありしや……/體育館……/採油塔の……/金礦貨車……/揚雲雀……/暴動圏のごとく……/乾葡萄の……/黒人オルフェ……/婚姻の……/硝子屑……/黒き瞼のうちに……/父に愛されたる記憶……/壜の辣韭……/醫師は安築死を語れども……/五月来る/假死の蝿……/出埃及記とや……/男色より……/花傳書のをはりの……/たましいひの夏……/夫婦と犬……/眠る家族の……/路割れ……/むかし天幕職のカヤーム……/橋より瞰おろしし情事、……/土曜日の父よ……/あたらしき墓建つは……/祝婚の……/韮の花……/釘、蕨、カラーを……/鼻梁ジッドに似し父のため……/幼帝弑さるる……/神にも母にも……/シェーンベルク祭……/夏の鹽甘し……/好漢の未婚の眞夏……/赤きアポロのしるしの下に……/旱天の……/カフカ忌の無人郵便局……/悪友のひるねの臍に……/いもうとよ……/少年蝶を逸せり……/慾望われとひとしからねば……/黒きパイプの果ての……/電工の……/鐡線の尾に……/復活祭……/暴動のモティーフとして……/愛慾に賭くる友らの……/芍藥と……/冰塊のうちの……/暗きよろこび……/われの悦樂に隣りて……/薔薇、胎児、慾望その他……/風のちまた百のテレヴィに……/ペンシル・スラックスの若者……/若者連れて……/六月の夜への挨拶……/ピレネー山脈戀ひて……/テレヴィに西部男の……/長身の父在りしかな……/ラジオの「英雄」……/肉桂の香と……/金婚は……/照る月の……/一穂の錐買ひしかば……/寒泳の青年の群……/ライターもて……/禁慾きはまりしうつつに……/老婆に遅れ……/卵黄吸ひし孔……/わかものの病む眼の……/夕顔乾酪色にくさりて……/壮年緩徐調にすぎさりつつを……/ラ・マルセイエーズ……/合鏡の蒼の世界に……/罌粟薙ぎて……/なまぐさきもの満ち……/獨活刈れば……/植林の樅……/果鋪に求むる若者の……/娶りはとほき奇蹟なれども……/少女ふたばよりかんばしく……/ほととぎす……/芍藥置きしかば……/理髪店……/杏は鍋に……/繭煮つつ……/死せる蠶のごと……/ある日婚姻……/轢死あれ……/雉子の頸……/オートバイの群は……/コルドバの牝牛の皮の靴ひずみ……
樅 半音階的ワーグナー論
玲瓏館縁起