昭和62年3刷　Ａ５判　P454＋索引P19　函下角イタミ

“本書は「枕草子」「源氏物語」「栄花物語」「大鏡」の四つの作品を中心に、主としてこれらの書の歴史的意義について検討を加えたものである。……”（本書「序」より）

目次：
序

【第一章　枕草子の歴史的背景】
第一節　枕草子と中関白家
第二節　中宮定子と清少納言

【第二章　源氏物語の歴史意識】
第一節　源氏物語の史的背景
　一　源氏物語の成立とその時代／二　その歴史意識の特徴／三　紫式部の反省
第二節　源氏物語の準拠と構想
　一　準拠としての延喜・天暦／二　寛弘三年三月四日の「花宴」／三　源氏物語とこま人／四　澪標巻より乙女巻までの準拠と構想
第三節 源氏物語の時代
　一　賜姓源氏と摂関時代の世相／二　須磨・明石巻の準拠と時代背景／三　明石入道とその準拠、受領の意義／四　光源氏と空蝉
第四節　紫式部とその生涯
第五節　歴史物語に及ぼした影響

【第三章　歴史物語の諸問題】
第一節　王朝時代の歴史と文学
　一　序／二　史書としての栄花物語・大鏡の文学性
第二節　栄花物語の本質
　一　研究史／二　書名／三　成立／四　作者および編者／五　諸本／六　本書の性格と内容の概略／七　栄花物語の内容と特徴
第三節　内容上からみた栄花物語・大鏡の特徴
　一　安和の変／二　兼家・兼通の争い／三　中関白家の衰え
第四節　栄花物語各巻の特徴
　一　月の宴巻／二　つぼみ花巻
第五節　栄花物語の時代背景
　一　藤原氏の発展と摂関政治成立の窓義／二　中関白家一家の繁栄と没落／三　道長一家の繁栄と摂関政治の本質
第六節　大鏡の歴史批判の性格
　一　大鏡の構想と主題／二　大鏡の脱話群／三　大鏡の小一条院と道長／四　大鏡の外戚と後見の重要性／五　大鏡の歴史展開の因果性／六　大鏡と王道思想／七　大鏡の作者
第七節　金沢文庫と歴史物語
　一　金沢文庫本栄花物語目録／二　金沢文庫本栄花物語断簡について／三　金沢文庫と歴史物語

【余章】
松村博司氏著『栄花物語の研究』
松村博司氏著『栄花物語の研究続篇』
松村博司氏著『栄花物語の研究第三』
河北騰氏著『栄花物語研究』
目崎徳衛氏著『平安文化史論』
あとがき
索引