昭和61年　復刻版　Ａ５判　P573＋解説研究篇P41　函角僅クスミ　本体小口僅時代シミ

旧字旧かな遣い

御船千鶴子らを被験者とした有名な「千里眼実験」をめぐる騒動により東京帝国大学助教授の職を追われた福来友吉の著作として、騒動から十数年後の昭和七年に刊行された書籍を、巻末に解説を付して復刻。

前半部では「千里眼実験」の詳細や、海外の念力に関する研究例を挙げて霊能・心霊現象について論述。後半部ではそこからさらに踏み込んで仏教やスウェデンボルグなどを引いた霊魂観、神秘主義的宗教哲学といったテーマに至る。

目次：
【第一編　緒論】
第一章　心霊研究発達の梗概
第二章　心霊現象と神秘主義

【第二編　心霊現象】
第一章　透視
　第一節　御船千鶴子嬢の透視
　第二節　長尾夫人の透視
　第三節　森竹鐡子嬢の透視
　第四節　御船常代夫人の透視
　第五節　三田光一氏の透視
第二章　霊の幻化
　第一節　生者の霊
　第二節　死際の霊
　第三節　死者の霊
第三章　念写と心霊写真
　第一節　長尾夫人
　第二節　森竹鐡子嬢
　第三節　高橋夫人の念写
　第四節　竹内天真氏の念写
　第五節　渡部偉哉氏の念写
　第六節　三田光一氏の念写
　第七節　ホープ氏の心霊写真
第四章　念音
第五章　念像
　第一節　ハーディ夫人の念像
　第二節　フラネク・クルスキ氏の念像
第六章　念動
　第一節　ダニール・ダングラス・ホーム氏の念動
　第二節　ユーサピア・パラディノの念動
第七章　霊の物質化
　第一節　物質化の意義
　第二節　フローレンス・クック嬢の物質化現象
　第三節　マルテ・ベロー嬢の物質化現象
第八章　実験的結論

【第三編　自我】
第一章　識性
　第一節　識我の実在
　第二節　識我の偏在性と常住性
　第三節　識性の普遍平等性
第二章　命我
　第一節　命我の活動
　第二節　命我の常住
第三章　霊魂不滅の問題
第四章　心王命我と心数命我
第五章　境智不二と境智二而

【第四編　神秘世界】
第一章　菩提心の希願
第二章　普観自在三昧
　第一節　天眼と肉眼
　第二節　一切視の宇宙
　第三節　無ケイ礙と一切視
第三章　萬法皆空三昧
　第一節　法空三昧
　第二節　法如空三昧
第四章　我法實有三昧
　第一節　法性實有
　第二節　我性實有
第五章　帝網無尽三昧
　第一節　華厳経の精眼
　第二節　十地
　第三節　十玄門
第六章　秘密荘厳三昧
　第一節　命我の存在価値
　第二節　金剛薩《土＋垂》
　第三節　一切處偏在
　第四節　一切時常住
　第五節　瑜伽
　第六節　三密加持
　第七節　即身成仏

【第五編　霊と生命】
第一章　生命
　第一節　創造
　第二節　生成と破壊
　第三節　生理的命我と社会的命我
第二章　霊と倫理
　第一節　善
　第二節　自由意志
第三章　霊と宗教
　第一節　宗教と神秘世界
　第二節　宗教経験の種々相

復刻『心霊と神秘世界』解説研究篇
　復刻版刊行に当たって
　福来博士の代表作（田中千代松）
　深遠なる福来哲学の真骨頂（山本健造）
　福来博士と科学改革（原田武次郎）
　弘法大師研究のあるべき方向（松下隆洪）
　悲劇の先覚者、福来友吉の生涯（梅原正紀）
　福来友吉、その人と時代（井村宏次）
　念写、仏教神秘思想、福来友吉（阿基米得）
　福来心理学研究所の歩み（白川勇記）