昭和60年19刷　B６判　P238　カバー端少イタミ、内側時代シミ　小口およびページヤケ、時代シミ多

挿絵：岩井泰三

“豹は、みなさんも動物園でごらんになって、よくごぞんじだと思います。熱帯のジャングルの中を、音もなく歩きまわるこの猛獣は、ライオンや虎とはちがって、なんとなく陰気で、ぶきみな感じがしますね。
この物語にでてくる人間は、人間の形をしていますが、この豹にそっくりな動作をし、その心も猛獣のように残忍な怪物なのです。恐ろしいこの怪物のあらわれるところ、つぎつぎに怪事件がおこり、いたましい犠牲者がつづきます。
名探偵明智小五郎と小林少年は、この恐ろしい怪物と、この怪物をこの世につくりだした悪人に対して、ちえと力のかぎりをつくしてたたかい、ついに怪物を絶対絶命のところまで追いつめるのですが、さて、その結果は……？　では、物語の幕をあけましょう。”（本書『はじめに」）

目次：
猫族の舌／闇にうごめく／怪しい建物／おりの中／二ひきの野獣／もえあがる怪屋／仮面の女王／暗黒劇場／花吹雪／月夜の虎／深夜の訪問者／虎の足あと／田舎娘／覆面の令嬢／明智小五郎／第二のえじき／いまわしい箱／獣人と獣人／鉄管の迷路／悪魔のちえ／うらのまたうら／黒い糸／名犬シャーロック／都会のジャングル／豹の散歩／虎男／美しい熊／お化け屋敷／外国煙草の秘密／恐ろしき猛獣団長／Zサーカス／食うか食われるか／大空の悪魔