1997年 文庫判 P309 天少時代シミ
「天使についての哲学的な書物は、出版の歴史における大事件である」 ― アメリカの現代哲学の第一人者として幅広く活躍を続けている著者が、天使を偉大な思想として捉え、信仰からだけでなく哲学や現代思想の領域から「肉体なき精神」である天使と人間精神を考察する。一貫して神の存在を哲学的に論
証し、神への信仰を理性的に根拠づけた、魅力あふれる天使学の最良の入門書。新訳の文庫オリジナル。”(カバー裏紹介文)
目次:
序
【第一部 プロローグ】
第一章天使の魅力
1 肉体なき精神
2 地球外の知性的存在
3 天使のイメージ
第二章 天使の意義
1 誰にとっての意義か
2 実在性あるいは可能性
3 神学か哲学か
【第二部 宗教的信仰の対象としての天使】
第三章 教義と教説
1 なぜ天使を信じるのか
2 何を信じるのか
3 教義から教説へ
4 天使が与えてくれる楽しみ
第四章 天使の実在性
1 なぜ天使の存在を証明しようとするのか
2 神はなぜ天使を創造したか
3 存在の巨大な鎖
4 すべての可能世界のなかで最善のもの
第五章 天使についての神学的な考察
1 問題の範囲と順序
2 地上における天使の使命
3 必要な補足
4 天国での天使の生命
第六章 地獄の天使達
1 天国から地獄へ
2 神に奉仕するサタン
3 原罪の神秘
【第三部 哲学的思想の対象としての天使】
第七章 天使の存在の可能性
1 問題の核心
2 天使なるものは不可能であるとする人々
3 天使の可能性を肯定すべき理由
第八章 天使の可能性の哲学的究明
1 天使学と数学
2 天使の可変性
3 天使間の相違
4 天使による空間の占有とそのなかでの運動
5 認識者としての天使
6 愛するものとしての天使
7 天使の共同体と天使相互のコミュニケーション
【第四部 近代思想における天使義的虚偽】
第九章 何と天使に似たもの!
1 そして、何と似ても似つかぬもの!
2 両極をなすもの
3 天使の受肉
第十章 牢獄のかげり
1 霊魂の不死性
2 一つのものか、二つのものか
3 より天使に似たもの
4 霊魂の幽閉
第十一章 人間が天使だとしたら
1 天使主義的政治学
2 天使主義的心理学
3 天使主義的語学
4 天使主義的倫理学
【第五部 エピローグ】
第十二章 境界線にある人間
1 境界線にまたがるか、それを越えるか
2 人間精神の弱さ
3 中間領域
4 肉体の復活
第十三章 天使に関する他の参考文献
訳者あとがき(稲垣良典)
索引