2005年 14.2×21.7 ソフトカバー P237 カバー僅スレ P137〜148上角僅折れ跡 帯付
“日本のモダニズム建築は、アントン・レーモンドの『詳細図集』から始まる。
日本で独自の建築手法を打ち立て、詳細図を残したレーモンド。若き前川國男・吉村順三らが、設計の道標とした幻の書をひもとき、レーモンドの建築思想の原点に迫る。”(帯文)
目次:
まえがき
第1章 『詳細図集』のこと
なぜ今、レーモンドの詳細か/『詳細図集』の内容は/生き続けている建築詳細/『詳細図集』の背景について/『詳細図集』の体裁など
第2章 詳細図の語る原理
その地域性の考え方/レーモンドの主張について/慎重な構えから詳細の発見/細部から全体へ、思想へ/矩計による木造の構成/矩計図から原理へ
第3章 進歩と洗練のプロセス
赤星喜介邸の近代性/赤星喜介邸の引違い窓/川崎邸の打放し仕上げ/凝り固まる詳細設計/RC造に木製サッシュ再び/福井別邸の詳細図の詳細
第4章 詳細の語る沈黙とは
なぜ自邸は『詳細図集』に載らないか/黒い木造横板張り近代住宅のこと/沈黙の詳細図の語ることば/階段に詳細図がない理由/雲南坂の自邸の階段/人間はスケッチ透視図から
第5章 詳細の納まりを超えて
詳細図の意味が変わった/東京女子大学礼拝堂の内外打放し/東京女子大学礼拝堂のペレの塔/再び女子大の塔と詳細図/たかが門扉、されどそのデザイン/レーモンドにとって納まりとは何か
第6章 詳細図普及による効果
RC造と木造の詳細の違い/インドの僧院宿舎の詳細/家具類に詳細図がない/『詳細図集』発刊のその後/建築詳細図の普及/さらに詳細図を狙って
第7章 それ以後の建築
プレファブ・ターゲットの悲劇/リーダイ論争と詳細図/RD社設計の苦労/アメリカ大使館アパートは治外法権/カーテンウォールとルーバー/レーモンド・スタイルの発生/葉山の別邸の詳細/軽井沢の新スタジオ設計
第8章 細部がデザインを変える
ベーシック・ハウスに見る住まい方/戦後初めての詳細特集/鋏状トラスの教会/コンクリート打放しの教会/ワイドリンガーの構造から/グアム島における計画
第9章 レーモンドの周辺をめぐって
吉村順三の詳細図/無限に続くライトの詳細図/細部に凝ったライトの建築/落水荘の細部と虚構/ル・コルビュジェとのやりとり/ジョージ・中島の家具
第10章 細部に神が宿るか
ノエミ・レーモンドの家具デザイン/ノエミ・レーモンドの貢献/レーモンドの組織力と設計過程/細部は全体の一部であった
あとがき
付録